ヴァンサンに夢中

ヴァンサンに夢中

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  • サイズ B6判/ページ数 156p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087732061
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

今、明かされる作家ギベール、“エイズ以前”の背徳の文学世界。ゲイの美の極み、禁断の愛を描いた傑作。ぼくの恋人は悪魔のように淫らで、天使のように清らか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tera。

18
ギベールの日記が元になっていて、『ぼくの命を救ってくれなかった友へ』の前に発表になった作品。この頃には既にエイズに感染している事が判っていたようだけど、作品の中でその事には触れられていない。物語は恋人ヴァンサンが酔った上に麻薬を使い飛び降りて死ぬ所から始まり、現在から過去へと進んで行く。どう見てもヴァンサンはギベールを大切に思っているように感じられないのだけど、ギベールはヴァンサンに執着するが、それは本当に愛情だったのだろうか。日記という形の短い文章に、ギベールは何を込めたのか、何度読んでもよく判らない。2014/08/10

7
愛する人の死について、どのように理解すればよいのか「もうこの世にいないから、ぼくはいまも彼を愛し続けている」死によって、愛は不変になるのかもしれない。2023/10/10

Mark.jr

5
オタク的なBLとJean Genetのようなゲイ文学の中間点にある作品というか...。切り刻まれた日記のようにも読めます。 「きてくれなかった日は、かならず彼を呪っている。」2024/01/31

やまはるか

5
はじめから終わりまでゲイの性愛を描く真剣な小説だと感じた。時にグロテスクと思わせるのは偏見のなせるところ。作者はエイズにより36歳で夭折している。「情事にふけっていて、抱きしめている相手の胸の中に自分の鼓動を感じたのである。彼の肉体はもはや彼のものではなく、贈り物だった。相手は彼が高まる愛の波間で息絶えることのないよう、抱かれている腕と大いなる永遠(コカインを嗅ぎ、マリファナを吸って)の間でおだやかに浮かんでいられるよう暖かく見守っていた。」25年前にこういう作品があって、ようやく今の社会があるのか。2019/12/23

渡邊利道

2
日記をもとに、死んだ麻薬中毒の友人、というか、快楽の対象だった男性について小説に仕上げたもの。どこかありふれた、大切なものとされながら、どこか下らないところがあるものたち。「きらきら光る魚のように、一晩中身体のまわりに光を発していた彼は、事が終わると、ぼくの愛撫を逃れて、光を消してしまう。ぼくはぽっかり穴のあいたその暗闇に向かって唇を突き出す」輪郭と空白。2020/08/30

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