内容説明
探していたのはきみだった。新しい世代のための青春文学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
72
図書館本。両親が他界したことを機に、10年間音信不通の兄を探すためにタカクは上京。タカクは兄を知る人と会い兄の行方を探す。3年間兄の恋人だった大学院生のシノダヒサミ、半年前に兄は彼女の前から消息を絶っていた。最後の1年間、同時に兄と交際していたイワノアツコの前から姿を消していた。アガワマキには「自分には9つ上の兄がいる」と語っていたといい、遺書めいた封筒を言付けていた。兄の職場の同僚のヤスダは、兄と付き合いは長かったが、タカクの目の前で自殺。兄の得体のしれない実像が浮かび上がる。不思議な読後感が残る作品。2025/02/17
彩美心
0
おもしろいかときかれたらおもしろいとはとても言えない。何が言いたいのかもまったくわからなかった。人の狂気を書いたようでもあり、魂の存在を書いたようでもあり、どちらにしても気味の悪い小説だった。いや、魂になら私だって興味はあるのだが、この本は魂の存在について希望を抱かせてはくれない。すべては狂気ゆえともとれる書き方をしていて残念。2012/03/15