内容説明
若者組の山岳清浄行は開始された。極限状況の中で、人間の本質がむき出しになる。はりつめた精神の糸が奏でる高純度な世界。高純度文学の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てふてふこ
14
「その言葉を」・・・過去天才といわれた、世渡り下手な飛楽俊太郎の哀愁、特にテナーサックスを一人練習するシーンは胸を打たれる。「滝」・・・宗教団体で行われる山中での修行。宗教と欲は対比的、欲から逃れる為に宗教はあるのでは、と思いますが・・・片桐勲の死は何を意味してるのでしょう。2014/05/23
Tonex
2
前から気になっていた作家。初期のものから順に読んでみようと思い、借りてみた。収録二作品とも面白かった。もっと早く読んでおけば良かった。/『その言葉を』はジャズの話がいろいろ出てくるが、村上春樹と違ってジャズを知らなくても面白く感じられた。/『滝』は読んでいてゴールディングの『蝿の王』を思い出したが、三島由紀夫の『剣』という小説がベースにあるらしい。2014/07/12
でりら
1
泥臭いものも、清冽なものも、どちらも研ぎ澄まされている。そんな感覚にずぶずぶ浸れる。今時の若者よろしくぬるま湯でゆるゆると生きている自分にはこんな世界は構築できないなと毎回思い知らされる。2011/09/04
ジョバンニ
0
★★★★☆(★4.5)情景が美しく鮮明である。少年たちの心もまた美しく、それゆえのラストも、とても悲しく清廉である。2015/01/10
きなこうめ
0
純文学。「滝」より「その言葉を」の方が気に入った。たまに入るカタカナ部分がなんとなく面白い2009/11/23