感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サト
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菊地信義の装幀の本で表紙絵とタイトルが気になり手に取った。「二十歳」の泣き出したくなるような不安定な現実が懐かしくもあり心苦しくもあり。夢の端っこを握り締めて離さないようにしていないと、とたんに重力のある現実に引き戻されてしまう。そのくらい客観的に理解している浮遊感にずっと浸っていたいんだよね。全体的に読みやすくて鬱々とした短編集だった。他人に期待せず求めず、また自分に対してもそうであってほしいと感じているような登場人物。しかし理屈抜きに手を伸ばしてくれる誰かがいたら無条件に掴むことは躊躇わない感じ。2022/09/22