背高泡立草

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背高泡立草

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  • サイズ 46判/ページ数 152p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087717105
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

草は刈らねばならない。そこに埋もれているのは、納屋だけではないから。
記億と歴史が結びついた、著者新境地。第162回芥川賞候補作。

大村奈美は、母の実家・吉川家の納屋の草刈りをするために、母、伯母、従姉妹とともに福岡から長崎の島に向かう。吉川家には<古か家>と<新しい方の家>があるが、祖母が亡くなり、いずれも空き家になっていた。奈美は二つの家に関して、伯父や祖母の姉に話を聞く。吉川家は<新しい方の家>が建っている場所で戦前は酒屋をしていたが、戦中に統制が厳しくなって廃業し、満州に行く同じ集落の者から家を買って移り住んだという。それが<古か家>だった。島にはいつの時代も、海の向こうに出ていく者や、海からやってくる者があった。江戸時代には捕鯨が盛んで蝦夷でも漁をした者がおり、戦後には故郷の朝鮮に帰ろうとして船が難破し島の漁師に救助された人々がいた。時代が下って、カヌーに乗って鹿児島からやってきたという少年が現れたこともあった。草に埋もれた納屋を見ながら奈美は、吉川の者たちと二つの家に流れた時間、これから流れるだろう時間を思うのだった。

【著者略歴】
古川真人(ふるかわ・まこと)
1988年福岡県福岡市生まれ。國學院大學文学部中退。2016年「縫わんばならん」で第48回新潮新人賞を受賞しデビュー、同作で第156回芥川賞候補に。2017年、第2作「四時過ぎの船」で第157回芥川賞候補、第31回三島由紀夫賞候補、2019年、第4作「ラッコの家」で第161回芥川賞候補。

内容説明

草は刈らねばならない。そこに埋もれているもは、納屋だけではないから―。長崎の島に暮らし、時に海から来る者を受け入れてきた一族の、歴史と記憶の物語。第162回芥川賞受賞作。

著者等紹介

古川真人[フルカワマコト]
1988年福岡県福岡市生まれ。國學院大學文学部中退。2016年「縫わんばならん」で第四八回新潮新人賞を受賞しデビュー、同作で第一五六回芥川賞候補に。2017年、第二作「四時過ぎの船」で第一五七回芥川賞候補、第三一回三島由紀夫賞候補。2019年、第四作「ラッコの家」で第一六一回芥川賞候補。2020年、「背高泡立草」で第一六二回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

387
これが古川真人の第5作目にあたるようなのだが、デビュー作以来、過去に3度も芥川賞候補にノミネートされており、本作でようやく受賞。いわば芥川賞の常連の功労賞めいた気がしないでもない。作風はいたって地味である。あるいは玄人受けするタイプの作家なのかもしれない。プロットもまたいたってシンプル。ただ作中には、2つの時間軸が設定されており、それぞれに現在時と過去のある時(これは複数の時間を持つ)が語られるのだが、それらが交差するというのでもない。すなわち、何のために過去が語られるのかが不分明なのである。⇒ 2023/08/31

starbro

297
第162回芥川龍之介賞受賞作・候補作品第三弾(3/5)、今回は受賞作です。古川 真人『ラッコの家』に続いて二作目です。スマホが出て来なければ、昭和の作品と言われても納得してしまうほど、新鮮さがありません。まだ前作『ラッコの家』の方が好いと思います。また売れない芥川賞作家が誕生しました。ここ数年でワーストです。2020/02/07

こーた

286
人物の輪郭があわい。関係性を追うのが億劫で、誰が誰やらわからなくなる。でもひょっとすると植物は、世界をこんなふうにとらえているのかもしれず、あるいはこれを語っているのは草自身なのでは、という想いも抱かせる。そこにはこの国固有の〈家〉というシステムが孕む、全体主義的な危うさも垣間みえる。そこにぼくはつよい抵抗をかんじる。合間に挿まれる過去から、家の歴史が立ちあがってくる。いや、繁茂する雑草に覆われていく、というべきか。小説の企みとして巧くいっているとはおもえないけれど。そんなもの、さっさと刈り取るにかぎる。2020/02/20

射手座の天使あきちゃん

282
本日は先達に芥川賞の寸評を頂きました  石川啄木さん「難解の文学賞の受賞作に、われ読み解けず蟹とたわむる」 正岡子規さん「本買えば金がなくなり後悔寺」 与謝野晶子さん「あゝ古川よ君を泣く 君舞い上がることなかれ 候補4度の君なれば受賞に不思議のなかりしも 親はペンをば握らせて売れる書き方教えずや」 鬼門の芥川賞にまたもや歯が立たず完敗です❕ 面目ない >_< 2020/08/10

旅するランナー

235
福岡の家族が、祖母の住む長崎の島に出向き、草の中に埋もれた納屋などを整理整頓清掃する話に、島での時の流れを感じさせる話が交差する。現在自分のいる場所に流れている時間は、流れていった時間の行きつく先の景色なのです。構成の妙味・方言の味わい・比喩の深み、芥川賞受賞にも納得できます。奈美がやるように、思わずセイタカアワダチソウを検索してしまう。英語ではgoldenrod(黄金の棒)なんですね。泡立という名を付けた日本人の感性が素敵だと思います。2020/03/14

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