出版社内容情報
戦後70年、戦争を知らない世代が大多数の今こそ、戦争の記憶を残しておかなければ。毎日新聞大阪版インタビューを書籍化。鶴見俊輔、井上ひさし、吉永小百合、内田樹など63人が語る非戦のメッセージ。
広岩 近広[ヒロイワチカヒロ]
目次
第1章 平和国家が揺らいでいる(カントは『永遠平和のために』を著した;戦争に向かう国家体制を危惧する;政治家の資質を問う)
第2章 戦時の体験に学ぶ(軽々しく扱われた人間の命;戦争の準備は市民社会の統制から始まる)
第3章 永遠非戦の国であるために(軍事と安全保障を直視する;されど平和憲法;戦争をしない文化をつくろう)
著者等紹介
広岩近広[ヒロイワチカヒロ]
1950年大分県生まれ。電気通信大学電波通信学科卒業。1975年に毎日新聞社に入社。大阪社会部やサンデー毎日編集部で事件と調査報道に携わる。2007年から専門編集委員に就任し、大阪本社発行の紙面ルポ「平和をたずねて」で第22回坂田記念ジャーナリズム賞を受賞。2016年から毎日新聞客員編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗蝦
23
2007~2016年の毎日新聞夕刊のインタビュー紙面で『今、戦争を語る』というタイトルで109回連載された記事から64篇を収録した本です。インタビューの対象者は、作家、研究者、漫画家、画家、芸能人など、いわゆる「文化人」とカテゴライズされる立場の方々が多いですが、戦時中は子供だったか、あるいは兵士として戦地へ送られる年齢の若者だったりで、(子役として芸能活動でもしていない限りは)当時から「文化人」だったはずもなく、戦争に動員される側の無力さを身をもって知っているからこその危機感が伝わってきます。2020/10/09
たくのみ
14
今こそカントの「永遠平和論」を見直すべき、という柄谷行人。自衛隊は国際災害救助隊にすべき、という水島朝穂。憲法九条の改正、徴兵、戦争、そんなムードが生まれているという瀬戸内寂聴。権力者が憲法をおもちゃにしている、と怒る高村薫。司馬遼太郎から平和憲法を大事にしろよ、と聞かされた半藤一利。若者の中間共同体が消えたため自己申告のナショナリストが増えた、内田樹。著名人たちの危機感がひしひしと伝わるメッセージ集。改憲を公約に盛り込んだ与党が暴走する前に再読したい。2016/07/11
ペカソ・チャルマンチャイ
2
安部政権が暴走している今、読んでおくべき本だと思う。いろいろな考え方があるので、全ては共感できないかもしれないが、実際に戦争を体験した人の体験談はすべての日本人が読むべきだと思う。ただ、インタビュー時期がバラバラで、その日付が文末なのは読む上で不便。時代背景がわからない。日付は最初に記し、全てを日付順にした方が良かった。2016/09/13