出版社内容情報
殺人犯の弁護を任された新米弁護士。法廷で被害者の悪事を挙げると、被害者の娘から悲痛な叫びが! 「父は殺されたのよ!」この弁護は許されるのか? さわやかな感動を呼ぶ傑作ミステリー。
内容説明
28歳の新米弁護士・本條務は、事務所の代表弁護士・高階徹也から、初めて殺人事件の弁護を任される。被告人は、町工場を経営する戸三田宗介。金融業者の成瀬隆二をペーパーナイフで刺殺してしまったのだ。被告人の減刑を勝ち取ろうと、本條と高階は成瀬の悪評を集め、法廷で次々と暴き出す。ところが―「何で被害者がこんなひどい目にあわされるの。裁かれるのは父さんじゃない。犯人でしょ!」被害者の娘・香菜が叫んだ。そして、隠されていた真相が姿を見せ始める…。
著者等紹介
真保裕一[シンポユウイチ]
1961年生まれ。アニメーション制作に携わった後、91年『連鎖』で第37回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。96年『ホワイトアウト』で第17回吉川英治文学新人賞、97年『奪取』で第10回山本周五郎賞と第50回日本推理作家協会賞、2006年『灰色の北壁』で第25回新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
124
一見、地味なテーマながら真保裕一の筆力で読ませます。いそ弁の生活、法廷場面もかなりリアルです。後半には青春・恋愛ドラマもあります!2014/10/28
タックン
103
新米弁護士の孤軍奮闘記。法廷物って感じよりお仕事小説。加害者の弁護をしていたけど被害者の娘の悲痛な叫びから真実を追うあまりに若い二人には意外な結末が。オチはいつものお約束の悲しい女性の物語・・・・・。真実を追求することが必ずしも正しいのかを問う物語・・・・・。題名のつけ方はうまかったけど新米弁護士の青さ加減にイライラしたし、被害者の娘との恋愛感情は必要だったのかなあ?それにしても真保さん、(ホワイトアウト)までの初期作品のようなオリジナリティとか荒々しいまでの緊迫感がなくなってきてるな。2015/03/07
すこにゃん
100
新米弁護士を主人公とした仕事小説。弁護士事情は殆ど知らなかったので新鮮な驚きばかりでした。殺人事件の加害者の弁護では、刑を軽減させるために被害者の体裁や尊厳が傷つけられる事があったり、証人もまた信憑性を弱める目的で人格や社会的地位を貶められる可能性があることを知りました。怨嗟も買うし何ともやるせない気持ちにもなりますが、弁護士が最善を尽くすとはどういう事か考えさせられました。主人公の恋愛感情には共感できなかったけど、個人的にはおすすめです。2015/02/11
ケイ
93
新米弁護士の視点で語られていて、その視線で事件や裁判の進み方を一緒に経験していくように読める。彼の持つ疑問に共に不安になり、被害者側の人には感情的に肩入れしてしまった。タイトルも、表紙の絵も、読んでみると、なかなかよくできていると思う。ちょっと甘ちゃん な主人公たちではあるが、楽しんで読めた。2014/12/07
ゆみねこ
86
殺人事件を担当した新米弁護士、本條。法廷で被害者の悪事を追及し、その娘からなじられる。犯罪者を弁護するという事は一筋縄ではいかない。ボスに対する尊敬と疑念、自分の仕事に対する不安。若い弁護士の成長ものとしては読み応えあり。香菜は最初嫌な女と思ったけど、最後見方が変わりました。2015/05/27
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