出版社内容情報
東日本大震災後。父の訃報を受け、南太平洋の島から故郷に一時帰国した彩実。放射線被害に対する海外の情報との温度差、保守的な家族たちに違和感を覚えるなか、奇妙な風土病の噂を耳にして…。渾身の遺作。
内容説明
2011年3月11日。日本から遠く離れた南太平洋のバヌアツにも、地震による津波警報が出されていた。旅行ガイドや通訳をしながらこの島に暮らす伊都部彩実は、そのしばらく後、実父の訃報を受けて一時帰国する。放射線被害について海外メディアが報じる危機感に反比例するかのような日本の実像、また、相変わらず保守的な家族たちの思考と言動に噛み合わない思いを抱きながら日々を送るうち、「アオイロコ」という奇妙な風土病の噂を耳にする。父の遺言で、母が亡くなった後に父が交際していた女性に、代々の土地家屋を明け渡すことになり、思いのほか動揺する彩実。国に縛られない自由な生き方を望んで海外に飛び出したはずなのに、戻る場所を求めている自分に気づく。そんな折、口中の腫瘍が悪性と診断され、即刻入院となり、期せずして日本に留まることになるのだった―。
著者等紹介
坂東眞砂子[バンドウマサコ]
1958年3月30日~2014年1月27日。高知県高岡郡佐川町生まれ。奈良女子大学家政学部住居学科卒業後、イタリアのミラノ工科大学などに留学。96年『桜雨』で第三回島清恋愛文学賞受賞、97年『山妣』で第一一六回直木賞受賞、2002年『曼荼羅道』で第一五回柴田錬三郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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