東京自叙伝

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  • サイズ B6判/ページ数 423p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087715590
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

維新から太平洋戦争、サリン事件からフクシマ第1原発爆発まで、無責任都市トーキョーに暗躍した謎の男の一代記! 超絶話芸で一気読み必至の待望の長編小説。世の中、なるようにしかなりません!!

内容説明

明治維新から第2次世界大戦、バブル崩壊から地下鉄サリン事件に秋葉原通り魔殺人、福島第1原発事故まで、帝都トーキョウに暗躍した、謎の男の無責任一代記!史実の裏側に、滅亡する東京を予言する、一気読み必至の待望の長編小説!!

著者等紹介

奥泉光[オクイズミヒカル]
1956年山形県生まれ。国際基督教大学教養学部人文科学科卒。同大学院博士前期課程修了。1986年、すばる文学賞の最終候補作『地の鳥天の魚群』を「すばる」に発表しデビュー。主な著作に『ノヴァーリスの引用』(第一五回野間文芸新人賞)『石の来歴』(表題作で第一一〇回芥川龍之介賞)『神器―軍艦「橿原」殺人事件』(第六二回野間文芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

386
6人の語り手が幕末から現代(3.11大震災)まで、順次東京に起こったことを語り継いで行く。彼ら同志の関係は輪廻転生のようでもあり、また時には同時に存在していることからすれば、そうでもなし。また、6人が登場する割にはその語りは平板である。彼らはそもそもが個であるとともに全一でもある。なにしろ実態は東京の地霊なのであるから。そこで語られるのはもっぱら東京の裏面史であり、その要所要所に姿を変えた地霊が深く関わっていたというのである。事件そのものに目新しさがなく、語りも平板であるために単調さは免れない。2023/02/01

藤枝梅安

115
「神器ー軍艦橿原殺人事件」のラインの作品。「東京の地霊」が様々な人物になって、江戸から東京の歴史を物語る。「欲望と衝動」によって動いていく鼠の如く、東京とそこに住む人々も欲望と衝動のままに破滅へと向かっている様子が描かれている。史実を基に、人名は少し変えて、いかにも明治あたりの生まれの人のような語り口。「〇〇事件、あれも私です。」と悪びれずに断言するところが政治家や大実業家のようである。一つ一つの小さな意思が集まり絡まって不気味な動きに変わっていき、「歴史」となっていく様子を巧みに表現している。2014/11/15

おか

77
いやぁ 壮大な人間への皮肉が幕末から2013年迄を東京を中心に描かれている。描き方が又特殊!!!裏社会の人間を中心に描いているが 読んでいて気分が悪くなる位 人間の嫌な部分を抉り出している。途中で やめたくなったけど 頑張った!人間とは 何と愚かな生き物なのであろう そして 破滅への道を自ら選んで生きている という作者の意図は充分伝わったが それでも 私は救いを求めている、、、人間への警鐘としては 充分その役割は果たしているが 辛すぎる読書であった。2018/10/10

山田太郎

72
あんまり期待せずに読んだらことのほか面白かった。けっこう無責任な主人公というか語り手が笑わせる。この作者のユーモア感は好きだな。2015/10/21

いたろう

62
すごい小説だ。一人の人間に複数の人格が宿る多重人格ではなく、複数の人間が一つの人格で結ばれる「多在人格」とでもいうべき状態。「東京の地霊」である人格は、引き継がれ、拡散され、同時に複数存在する。江戸の大火、富士山の噴火、関東大震災、空襲、原爆、戦後の混乱・・・、江戸・東京を中心にした災厄の歴史。バブル崩壊、地下鉄サリン、新宿雑居ビル放火事件、秋葉原無差別殺傷事件。東京の災禍は続く。そして3.11――。これは、原発事故を既に過去のこととして葬り去ろうとしている東京を始めとする日本人への強烈なメッセージ。2015/02/07

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