出版社内容情報
老舗古書店「東京バンドワゴン」に舞い込む謎を、大家族の堀田家が人情あふれる方法で解決する人気シリーズ。待望の第9弾! 人生の岐路に立つ人を優しく励ます、書き下ろし長編。
内容説明
古書店を舞台にした青の出演映画が公開になり、相変わらず賑やかな堀田家。中学3年生になった研人はますます音楽に夢中。なんと「高校に行かずにイギリスへ渡る」と宣言!さて堀田家の面々の反応は…?勇気を持って人生に立ち向かう人々を、「LOVEだねぇ」の心意気であたたかく包み込む、待望の最新作!老舗古書店“東京バンドワゴン”に舞い込む謎を、大家族の堀田家があふれる人情で解決する人気シリーズ、第9弾!
著者等紹介
小路幸也[ショウジユキヤ]
北海道生まれ。広告制作会社退社後、執筆活動へ。『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で第二十九回メフィスト賞を受賞して作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
293
'13年の8月に前作『フロム・ミー・トゥ・ユー』を読んで以来1年半ぶりの東亰バンドワゴン物語。年の瀬にやっと廻ってきた図書館本を貸し出し期限ぎりぎりに読了。今回のキーワードは LOVE。あ、今回に限ったことではないか。とにかくピースは V ではなく L サインでどうぞ。2015/01/14
風眠
282
「All you need is love」愛こそすべての第9弾。子どもたちの成長に嬉しくなったり寂しくなったり、でも相変わらずの朝の食卓のやりとりに安心したり、ずーっと昔から知ってる近所のおばさんみたいな気持ちになって。今回は古本にまつわるミステリーはあまり無かったけれど、ふじしまんの家族の事とか、木島さんの娘さんの事とか、脇を固める登場人物の意外な側面を掘り下げた内容だった。それにしても研人・・・いきなり大人になっちゃって。男の子ってそういうものなの? そして我南人、まるくなったね。お年を召したせい?2014/08/08
ユメ
277
当たり前のことなど何もない。見慣れた光景も誰かにとっての憧憬かもしれないし、羨ましい誰かの日常も、天からの恵みではなく努力で維持されているのかもしれない。当然のように側にあるものだって、本当はいつも新鮮な驚きに満ちているはず。そもそも、今日という日があること自体が特別なことだ。そんなことを考えさせられた。〈All you need is love,love,love is all you need.〉我南人が屋上でこの曲を歌ってからもう5年。堀田家にも幾多の変化が訪れたけれど、一番大切なものは変わらない。2015/05/10
文庫フリーク@灯れ松明の火
267
登場人物1人増えるとLOVEは幾つ増えるのだろう。東京バンドワゴンメンバーが関われば、1+1が2で収まるはずも無く、LOVEはますます元気に増殖中。印象深かったのは勘一さんとふじしまん父・藤三氏との会話。確かに紙と墨と空間と間が一体となった書の匂いを、デジタル化して感じ取れるかは微妙。それでも書物にはデジタルデータとして残し、必要と有れば紙を使った書籍化ができる。最近イベント参加したO・ヘンリー、『火を熾す』のジャック・ロンドン、日本なら山本周五郎氏等々。100年という年月を経て、今も匂い立つ「感動」→2014/09/18
Mumiu
246
また、堀田家とご近所さんに会える季節がやってきた。ほんのりクエスチョンと、あったかなビックリマーク。我南人の歌と"LOVEだねぇ"。いたづらな好奇心も、親子の葛藤も、少年の迷いもloveがやさしくときほぐす。ドラマ化されましたが、個人的にはワンシーン一枚画の紙芝居ぽいアニメーションなんかで見てみたいかも。あの朝食のシーンとかね。もちろん、かんなちゃんと鈴花ちゃんがいる風景を。2014/05/27