出版社内容情報
大人気シリーズ、9年ぶりの刊行! ご存知、目細の安吉一家が昭和初期の東京で大活躍。チャップリン来日を巡る陰謀とは…? 江戸っ子の粋を体現した伝説の怪盗たちによる、痛快ピカレスクロマン。
内容説明
五・一五事件の前日に来日した大スター、チャップリンの知られざる暗殺計画とは―粋と仁義を体現する伝説の夜盗たちが、昭和の帝都を駆け抜ける。人気シリーズ、9年ぶりの最新刊。表題作「ライムライト」ほか5編を収録。
著者等紹介
浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京都生まれ。95年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、97年『鉄道員』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、06年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞、司馬遼太郎賞、08年『中原の虹』で吉川英治文学賞、10年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞を受賞。11年より日本ペンクラブ会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
文庫フリーク@灯れ松明の火
126
仕立屋銀次が跡目を望んだ目細の安吉・正面切っての押し込み強盗、説教寅・玄の前の女スリ、振袖おこん・天切り名人、黄不動の英治・・完結と思っていた『天切り松闇がたり』シリーズ最新刊を読めるたぁ、かっちけねぇ、果報もんですよあたしは。悪党には悪党の矜持、曲げちゃならねえ筋がある。悪党ならずとも人として筋を曲げれば外道。情の深さと懐の深さ、粹と野暮を分ける心意気・侠客揃いに鍛えられた松蔵の闇がたり。佳作揃いの中、きんぴかの一品は「琥珀色の涙」胸の病でへこたれちまった英治の、背中の黄不動を立ち上がらせるため、→2014/04/10
藤枝梅安
95
05年から13年まで断続的に掲載された5編をまとめた1冊。天切松こと松蔵の兄貴分と姐御は親分・安吉の矜持を受け継ぎ、「粋」を重んずる江戸の心意気を持ち続けていた。老齢を迎えた松蔵が拘置所や警察署で語る物語には、時代を超えた人間の真実が溢れ、聴くの心をとらえて離さない。チャップリン来日と5・15事件を採り上げた「ライムライト」はドキュメンタリーフィルムに別の映像を挿し込む手法に似て、フィクションに見事なまでの臨場感を加えている。ストーリーテラー浅田次郎の魅力満載の1冊。もっとゆっくり読めばよかった。2014/02/13
KAZOO
68
天切り松シリーズの第5弾で、6つの話が入っています。相変わらずはずれがない話です。どれも昭和時代の初めころの話で、ほろりとさせるものがいくつかあります。またチャップリンと5.15事件との絡みもうまく主人公たちが活躍する場を与えられています。まだまだ続くのでしょうか?2015/04/06
ともくん
54
大正から昭和に変わった、古き良き時代。 そこには、江戸と呼ばれた時代から変わらぬ、目細の安吉一家がいた。 時代は変わっても、変えてはいけないものがある。 それを体現している、目細の安吉。 その安吉一家を、現代に伝えるのは、安吉の侠気を伝承した村田松蔵。 今宵、松蔵の口から伝えられる伝説とは。 乞うご期待。2021/05/30
かんらんしゃ🎡
52
★カートーキヨマサお馬乗ってホイ、あとから家来が槍持ってホイ!って子供のころは馬飛びしながら唄っていた。清正公の慕われぶりが分かる。目細の安も子たちの遊びに歌われる。庶民は義侠に快哉を叫び、人情にふるえるのだ。★シリーズも最後。達成感よりもロス症候群に襲われそうで、この世界観から抜け出せない。同じ系統のプリズンホテルもきんぴかも読んでしまったしなあ。2018/04/02




