めぐり糸

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  • サイズ A5判/ページ数 557p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087715439
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

夜行列車で語られる、愛を超える熱情に生きた女性の生涯。九段の花街で芸者の子として育った〈わたし〉は、置屋で暮らす子・哲治と出会う。それは不思議な運命の糸が織りなす長い物語の始まりだった。

内容説明

終戦の年に生まれた“わたし”は、九段の花街で育った。家は置屋から芸者を呼ぶ料亭「八重」であり、母は評判の芸者で、祖母がその雇い主をつとめていた。客として訪れた父は母と知り合い、わたしが生まれた。小学二年生のとき、わたしは置屋「鶴ノ家」に住む子・哲治と出会う。それは、不可思議な運命の糸が織りなす長い物語の始まりだった―。新境地を拓く魂の長編小説。

著者等紹介

青山七恵[アオヤマナナエ]
1983年埼玉県生まれ。筑波大学図書館情報専門学群卒業。2005年「窓の灯」で文藝賞を受賞してデビュー。2007年「ひとり日和」で芥川賞受賞。2009年「かけら」で川端康成文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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りえこ

40
読みごたえありました。きついなぁ。なんだか安心出来なくて落ち着かない。こういう人は、どうしても繰り返していくんだなーと思った。本人も周りの人もわかってるんだろうなー。2014/05/23

風眠

34
終戦の年に芸者の娘として生まれた「わたし」。生まれ落ちたその瞬間から、男と女の業が渦巻く花街で育った。理屈じゃないのが男と女だけれど、何もかも捨てて、不幸になると分かっていても、周りの人間に迷惑をかけ、自分でも制御不能な感情で体が動いてしまうことが果たして愛なのか、依存と何が違うのか、私には分からない。ふたりの間には愛さえも差し挟めない、愛をも凌駕する熱情とか、これまでの一切を捨てて、何も持たず相手に飛び込んでいく衝動とか、正気の沙汰とは思えない。けれど、それこそが男と女なのかもしれないと思う。2014/03/02

なゆ

32
〝恋〟や〝愛〟よりももっと濃く強く、そういう宿命的な糸でつながっていたのだろうか…〈わたし〉と哲治は。終戦の年に生まれ花街で育った〈わたし〉と、近所の置屋にいる同い年の哲治。どうしてそんなにしてまで、哲治を追い続けないといけないのか。哲治を前にすると盲目的に理性も何もかもかなぐり捨ててしまうなんて。文学的にはこういう破滅的な愛も美しいのだろう…と頭の片隅で言い聞かせながらも、ひとりよがりな運命論からの行動は正直理解できなかった。きっと2人もよくわからないままに引き寄せられているのだろうか。2014/02/08

そうたそ

31
★★★★☆ 550ページ程に及ぶ力作。終戦の年に生まれ九段の花街で育った主人公と、主人公が幼い頃に出会った近所の置屋に住む哲治との数奇な人生が綴られる。とにかく同じようなトーンで長々と続くため、物語に変化を求める人にはおすすめできない作品かもしれない。加えて、個人的には主人公に共感できない、というよりむしろ理解できる部分が皆目なかったためイライラし通しだった。もはや「恋愛」という関係すら超えた「熱情」ともいうべき関係が見て取れる。そこにはもはや「愛」が挟まれる余地など一切ない。読み応えある一作だった。2014/01/15

キムチ

30
初の青山モノ。芥川賞作家という事は読後知ったが、一読すればさもあらんの文体と展開。九段に生まれ育ったおんなが小学校同級だった哲治を追って、おって、オッテ・・延々と続く話。というと実も蓋もないが、そこは筆者の才能で帯文の濃厚な単語よろしく「愛を超えた熱情の」流れる人生流転を「恐ろしいまでの渾身の力を」込めて綴っている。ヒロインは列車の中で昭和20生まれの私に問われる事もなく訥々と、時には能弁に語り「今度は貴女が話す番ね」で終わる。う~ん、私には理解不能の行動や感情が多く、殆ど共感を持てぬまま。2014/03/27

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