内容説明
赤竜児葉敬高く〓(ささ)げる切玉の刀、幻王楊令ふたたび語る民と国。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年唐津市生れ。中央大学法学部卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞を、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞を、2004年『楊家将』で吉川英治文学賞を、06年『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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納間田 圭
107
南船北馬と言われてきた…広大な中国大地での戦のあり方。帰せずして…岳飛と交戦状態に入った我が梁山泊。どうする?…”宣天行道”楊令。多面作戦を余儀なくさせられてる。さーいよいよだ‼︎反吐(へど)が出るほど戦ができるぞ‼︎。戦が何かも知らぬ小僧が…そうやっていたずらに兵を死なせるのだ。国が一つ買える位の価値がある真珠みないな黒い珠…玄珠。かつて塩の道からあがる利の糧道が…交易に成り代わった。生産物の1割のみを税としてして成立する唯一の国。それこそ理想の国…幻王楊令の梁山泊なり!…11/152023/09/13
榊原 香織
60
全15巻の11 宋はいつの間にか滅び、南宋はまだ立ち上がっていず、梁山泊は国として小さくまとまっている。 貨幣まで作って流通させている。 食べてる場面が一番好きだ2022/01/25
Y2K☮
29
完璧過ぎる次世代のヒーロー・秦容が始動。且つ今シリーズで最も重要な伏線がさらりと登場。全十五巻。そろそろか。岳飛の葛藤。領内の治安を保つ為の見せしめの是非。「皆殺し」という描写が必ずしも文字通りのそれではないとしつこく強調されているのは、岳飛を嫌われ者にしたくない著者の情か。次が「秦容伝」ではなく「岳飛伝」になった理由が何となく分かる。にしても、踏ん切りの付かない男の背中を押す女性のアドバイスってありがたいな。近頃お亡くなりになった野村監督の奥様を思い出した。崔如さん、シリーズで一番好きな女性キャラです。2017/12/14
浅見ヨシヒロ
15
昔梁山泊を支えた同志の話がいくつか出てきて思わずニヤニヤしながら読んでしまいました。 作中でも時間が流れており、次々と若い将校が出てきていて『あぁ、世代が代わってきているな』と実感しました。 早く続きを読もう。2014/08/29
さよちゃん
13
韓世忠は言う、交易など楊令の仕事ではない。童貫を倒したら楊令は幻王として金を従え、宋を支配する者を殺しつくし、かつてなかった巨大な国を作るべきだった、と。なるほど、物語としてはそちらの方がスケールが大きくて面白そうです。韓世忠、今からでも遅くない、楊令の耳元で囁いて欲しい。楊令が目指すのは小さな梁山泊の中だけの理想郷で良いのかな?それは替天行道の志にかなうもの?と、疑問を投げかけられたような巻でした。とうとうサラブレッド秦容が梁山泊に合流。いまや二世たちの方がご活躍で、祝家荘戦は昔話。遠くまで来たものです2013/02/14