内容説明
教会は分裂、議会は迷走し、革命は危機を迎える。さらば最後の英雄ミラボー。我がフランスに理性と自由の不動の基礎を。
著者等紹介
佐藤賢一[サトウケンイチ]
1968年山形県鶴岡市生まれ。山形大学卒業後、東北大学大学院で西洋史学を専攻。93年『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞、99年『王妃の離婚』で第121回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遥かなる想い
160
本巻は、フランス革命前半 の英雄ミラボー死去までを 描く。著者が描くフランス 革命の主役たちは、ひどく 世俗的で、例えばデムーランは リュシルとの結婚を 認めてもらいために動くのだが…一貫して圧倒的存在感を 放っていたのが、ミラボーだった。既得権を持つ人々を 論破し、時代を変えるには ミラボーのようなライオンが 必要だったのだろう。 亡命禁止令をめぐるミラボーと ジャコバン派との闘いに フランス革命の行く末を 暗示しながら、後を ロベスピエールに託していく…そんな巻だった。 2014/12/03
ヴェネツィア
27
バスティーユから間もなく2年。ミラボー逝く。ここまでの4巻、すなわち革命の前半の主人公はミラボーだったのであり、作家によってもっとも血肉を与えられていたのもまたミラボーだった。 次はいよいよロベスピエールの時代到来か。2012/01/29
朝比奈さん
18
だって不純なものが嫌いだろう、どんどん純化していかなければ気が済まないだろう-それがロベスピエールへの核。巨星墜つ。ミラボーの逝去。最期のロベピとミラボーの会話が、ある意味革命のクライマックスだったのではないかな。2017/11/06
星落秋風五丈原
18
司教タレイランが推進する教会改革に、非難が殺到! 議会で奮闘するミラボー、そしてロベスピエールはどう動くか−と思いきやミラボーが舞台から去る。ミラボーの遺言とも言える言葉をロベスピエールはどう受け止めたのか。2010/04/01
detu
17
1/14〜18了。バスティーユ監獄陥落から一年を迎える。タレイラン、ロベスピエール、ミラボー、ラ・ファイエット。聖職者が憲法に宣誓する、しない。ルイ16世とローマ教皇、対立軸がややこしい。議会はタイトル通り迷走しまくり、議会をかき回し続けたミラボーの病状は悪化を極める。ミラボーの腹案は国王を立て新しい議会を起こすことだったが、志半ばで帰らぬ人に。タレイランとロベスピエールに遺志を託す。革命のライオン死す。ルイ16世、マリー・アントワネットの運命は。2024/01/18
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