内容説明
真の敵は何処に。今こそ、真実に殉じる勇気を。革命の本道を目指し、天下をかけた戦いが始まる。仮面の聖性と宿命の俗性。
著者等紹介
佐藤賢一[サトウケンイチ]
1968年山形県鶴岡市生まれ。山形大学卒業後、東北大学大学院で西洋史学を専攻。93年『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞、99年『王妃の離婚』で第121回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遥かなる想い
59
3巻は国王一家がベルサイユから パリに移った後を描く。 司教タレイランが聖職の 特権没収という提案を 掲げ、物語は急転していく。タレイラン、ミラボー、 ロベスピエール…革命の 主役たちが各々の思惑で 動く様が妙に人間くさく 面白い。やや議会での やりとりが長く単調だが、 個々の人物造形が演説に 反映されているような 気がする。 マリーアントワネットが少し登場させたのは、今後への 伏線なのだろうか…2014/11/24
ヴェネツィア
24
バスティーユ陥落から1年。 革命は膠着状態に。 ブルジョワジーは、当然のことながら保守化してゆく。 ミラボーは未だ健在。 一方、革命の立役者だったデムーランは生彩を欠く。2012/01/28
ぐうぐう
22
自信家タレイラン登場。青春のロベスピエール、慧眼のミラボーなど、それぞれの人物の対比がおもしろい。ネッケル人気の凋落を、二度の決起を成功させた民衆の自信の表れだとするミラボーの分析は、やはり他の人物の一歩先を進んでいる。だからこそ、軋轢も強いのだろう。今巻の相手は、自尊心の塊である聖職者。それにプラスして、王家を守るために革命を目指すミラボーにとって、板挟みは続く。マリー・アントワネットとの会話が象徴的だ。「革命はお嫌いですか」「嫌いだと、どうなります」「フランス王家は破滅いたします」2013/12/26
朝比奈さん
18
バスチーユ陥落より一年。革命後すぐにルイ16世って処刑されたわけじゃないんだねぇ(無知)。ミラボーの存在感。理想を夢見がちのロベピくん。そして、デムーランが拗ねている。そしてロベピにサンジュストから手紙が届く。2017/10/30
detu
14
1/7〜11了。今回は聖職者階級との戦いか。聖職と言えど利権を貪る欲望の塊ばかり。タレイラン、ロベスピエール、デムーラン、ラ・ファイエット、ミラボー。段々人物が、混同してきた。2024/01/11