内容説明
扈姫、自ら官軍に奔ること啾啾、童貫、単身虎口を襲うこと飄飄。侯真、地崖にて破肋の肘を揮い、〓(ちょ)律、死域にて炸う鬼蹴の術。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年唐津市生れ。中央大学法学部卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞を、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞を、2004年『楊家将』で吉川英治文学賞を、06年『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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納間田 圭
128
一丈青”扈三娘”。その美しき彼女を襲った壮絶な悲劇。その描きっぷりは”あまりにも”残酷。左、右、右、左…と右と左の文字が九つ並んだ紙片。梁山泊は…黄河沿いの南の地域を制圧し、そこに国として根を張りつつあった。人が集まり続けていた。逆に…宋の禁軍元帥”童貫”も…お忍びで子午山に戻り充電完了。後は…戦いの時を待つのみ。扈三娘の子を思う母としての姿。梁山泊の戦士としての姿。そして…聞煥章との✖︎✖︎。口に含んだ〇〇。渾身の力で首を振った。口の中に残った塊を吐き捨てた。聞煥章の義足の中に隠してあったものとは…寒2023/02/04
榊原 香織
60
全15巻の6 新梁山泊は日本と密かに交易していることになっている。 主要輸入品は、昆布!2022/01/05
Y2K☮
39
蹂躙される弱さに息づく強さ。鬼神の如き強さの陰に隠した弱さ。狭間で揺らぎ続けるのが人の生。優しさや葛藤、その他の面倒な感情を放棄し、ただ死を待って流れに身を任せてしまえば楽に生きられるかもしれない。この世の光も闇も受け止め、尚且つ溢れ出さぬ様に抑え込む術を身につける方がずっときつい。それでも後者を選ぶ楊令。彼だけじゃない。今巻の主要人物は前者に引きずられそうになりながらも、結局は逃げずに向き合う。まさか著者と村上春樹が重なるとは。世界は、そして梁山泊という名のハードボイルド・ワンダーランドはまだまだ続く。2017/10/19
maito/まいと
18
北も南も一段落。疲弊した宋を梁山泊が一気に叩く、って流れかと思ったらそうはならず。意外に沈黙を守り、体制を一気に整えてきた。侯真、張平ら若きメンバーの躍動に呉用の本格復帰、新規入れ替えはちょっとさみしいけど・・・一方、皆殺しの戦いでどこかたがが外れた?童貫、楊令との戦いを生涯最後の戦いを思い定める過程が切なくなってくる。もはや国のためではなく己のため、と割り切った童貫に、楊令達は勝たなきゃいけないんだな。いよいよ決戦、先人たちの死が無駄にならないための戦いが始まる。
calaf
18
母は強くもあり、弱くもあり、、、そして、そんな会合があるのか・・・人物名を読み間違ったのかと思って読み返してしまった (^^;;; まぁ、ある領域に達するとノーサイドになるとか???2017/09/03