内容説明
隕石が落ちてくるよりも大きな奇跡。ありふれた住宅地に落ちた隕石が孤立した人々に与えた一瞬の逢瀬。
著者等紹介
水森サトリ[ミズモリサトリ]
東京都出身。『でかい月だな』(集英社刊)で第19回小説すばる新人賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミーコ
34
初読みの作家さん。小説スバル新人賞との事で読んでみました。隕石が住宅に落ちて来て、どうなって行くのか気になり読み進めました。全く思っていない方向へ…。草太と明浩が、えぇ⁈ そんな事になっちゃう⁈ となりましたが。 耕平ことビビアンが可愛かったです。2022/08/10
のほほん@灯れ松明の火
31
なんか好きだなぁー、なんかいいなぁーって思う読後感の不思議な本でした。こんなことありえないだろうなぁと思いながらも はるきや草太の抱えている気持ちが、とってもリアルで、特にはるきの痛みが胸にツンツンきました。草太の母、さっちゃんも「この一言を言われてしまったら…」とか自分もしそうなことなので、なんだか痛かったです。胸にツンツンくる話なのに、読後感があったかかったのは、やっぱり万有引力のおかげでしょうか…。はるきと草太の明るい未来を想像してしまいます。2012/07/31
佳容
25
思わず夜空を見上げてみたくなる。ある日、家に隕石が落っこちてきた中学生・槙野草太をめぐる4つの短編集。はじめは思春期特有のイタさが照れくさいような、恥ずかしいような座りの悪い思いをしたが、草太の万有引力にお手上げ。彼にだって悩みもあれば、憂いもあるのに、何だろうこの日向の匂いは。彼には笑っていて欲しいと思ってしまう。彼を取り巻くキャラクター達も良かった。夜空を見上げ、引力にひかれている事にほっとする、自分を繋ぎ止めるものに。この味をしめた読者には、是非「でかい月だな」を読んでみてほしい。2010/07/03
くろり - しろくろりちよ
24
民家に落ちて来た隕石。「隕石が落ちてくるよりも大きな奇跡。(帯より)」語り部が章ごとに変わりながら、ひとりひとりだった登場人物が繋がっていく軌跡。女の子にはならないと特別だと思っていたはるき。誰にでも優しすぎて届かない父、総一郎さん。ニューハーフで母親になって初恋の人に再会してまた恋をするビビアン。望まれるから不良になった明浩。草太を通して…「万有引力だ。気が遠くなるほど離れていても、星は互いに引かれ合っているんだよ。てめえ自身の重さで、他の星を呼んでる。―星はバラバラなんかじゃない。」んーいいな。2012/04/01
Kei
21
4つの連作短編集。出てくる人たちみんな最高!その後どうなったのか読みたかったな。2018/06/16