出版社内容情報
平安期、紀伊から流れ着いて京に住む綾児(あやこ)は、表向きは巫女を名乗りつつ、内実は色を売って暮らしていた。若盛りを過ぎたとはいえ、綾児はその貧しい界隈では美貌の巫女だった。ある日、入れ込んだ男に逃げられて腹を立てていた綾児のもとに、似たような境遇の巫女・阿鳥(あとり)から、あやしい儲け話の誘いが持ちかけられる。40年ほど前に、京から大宰府に左遷されて非業の死を遂げた右大臣、菅原道真の祟りを利用するというのだ。公卿たちは、相次ぐ皇太子の死や、清涼殿に雷が落ちて、その後に帝が亡くなったのは、道真の怨霊の仕業だと考えているという。ゆえにその死霊を神様として祀れば金儲けができると、道真の名前さえ知らない綾児に、阿鳥は熱心に語るのだった。半信半疑だった綾児は、憑坐(よりまし)や巫女は綺麗な女子供の方が信用されるという阿鳥の言に、激しく心を揺さぶられる。そして、自分の美貌と阿鳥の知恵があれば、この話はうまくいくと目論むのだが……。
実力派作家が描く、傑作歴史長編。
内容説明
時は平安時代、色を売って暮らす、似非巫女の綾児。その美貌を見込まれた綾児は、菅原道真の祟りを騙る、巫女仲間の策謀に誘われた―。『若冲』で注目を集める実力派作家が描く、傑作歴史長編。
著者等紹介
澤田瞳子[サワダトウコ]
1977年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。同大学大学院博士前期課程修了。2010年『孤鷹の天』でデビューし、翌年に第十七回中山義秀文学賞を受賞。2013年『満つる月の如し 仏師・定朝』で第三二回新田次郎文学賞を受賞。2016年『若冲』で第九回親鸞賞を受賞(同作は第一五三回直木賞の候補作にもなった)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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