出版社内容情報
東京生まれのお嬢様・華子と、地方生まれのOL・美紀。出会うはずのなかった女二人が同じ男をきっかけに巡り合って──。東京の「上流階級」を舞台に、結婚の葛藤と解放を描く、渾身の長編小説。
山内 マリコ[ヤマウチマリコ]
内容説明
東京生まれの箱入り娘VS地方生まれの雑草系女子!?「上流階級」を舞台に、アラサー女子たちの葛藤と成長を描く傑作長編。
著者等紹介
山内マリコ[ヤマウチマリコ]
1980年、富山県生まれ。2008年に「女による女のためのR‐18文学賞」で読者賞を受賞。12年『ここは退屈迎えに来て』で作家デビュー。地方に生きる女子たちのリアリティを見事に描き出す作風で話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
192
山内マリコさんの作品を読むのは9作目!今作も面白かったです♬東京生まれで箱入り娘の華子と地方生まれの上京組の美紀。華子はセレブなので住む世界が全く違い、こんな感じで結婚相手を選んだりするのも大変だなぁ。美紀の辛さや苦労もわかり、それぞれに悩みや辛いところあるのがよくわかった。それだけだと何だか暗いお話ですが途中からの展開が良く一気に楽しくなりました!相楽さん機転がきいていてすごくいい*幸一郎のこと嫌だけど幸一郎の仕方がないって言葉も本音なんだろうなぁ。私は美紀が好き♡頑張ったなぁ♪読後感爽やかで良かった♡2017/08/04
mariya926
146
日本は格差社会じゃなく階級社会なんだと納得しました。東京で住んでいる上流階級と田舎の社会を上手く描いています。そしてどちらにも属さないのは自由だということを知りました。シンデレラは結婚した後に苦労したという話を聞いたことがありますが、確かに階級が違いすぎるとギャップというか違和感が大きすぎて大変なのが結婚かもしれません。でも階級的にもお似合いだと思われた2人が離婚するのも意外でした。モラルゆるゆる男は最悪ですけど、上流階級だけにいるって訳ではないし、この作家さんの他の本も読んでみたくなりました。ナツイチ2019/09/26
ケンイチミズバ
146
20代の頃、私の周囲にも貴族はいた。二人とも恋愛対象は病院の後継ぎとなる男性。が、みちるちゃんは親の束縛から逃れるため英国留学、サバンナの気球ツアーで運命の出会い、ガイドにしてリアル貴族、マイケルと親の反対を押し切り結婚。フォーシャムの城主ナウ。しほちゃんは医師と成田離婚、気分転換にと励まそうと職場グループで旅行した初日の夜、私のバンガロウを酔いちくれてたずねてきた。何もなかったかのようにその後パティシエのギーとこれまた親の反対を押し切り結婚、パリから車で40分の片田舎で農場主ナウ。女子、たくましい。2019/06/05
うっちー
127
題名どおりの話しですが、読後感はいいですよ。2020/06/28
なゆ
120
山内さん、やっぱり面白い★そして面白いだけじゃない、なんか漠然と見過ごしてきたものをシレッとあぶりだすのがうまい。東京で生まれ育ったイイトコのお嬢様華子の婚活、そこから、地方から上京してたくましく生き抜く美紀の話へ。「住む世界が違う」って、こういうことよね。それぞれにとっての〝普通〟も、違いすぎて歯がゆいけど笑える。さらに生粋のお坊ちゃま幸一郎の、狭い世界で生きてる感じもナルホドなと。この流れでのありがちなパターンじゃないところが、気持ちよく読めた。終盤が少々バタバタだったけれども。2017/09/01