出版社内容情報
幕末の動乱に揺れる江戸。新門辰五郎親方率いる町火消「を組」の若頭・零次は、早鐘の音に先導立って今日も火事場へ駆けつける。しかし、ある出来事で父と幼い妹を失い、孤児となった生い立ちを持つ零次は、命懸けで猛火に立ち向かいながらも、江戸を燃やしつくしたいという火消としての相剋を抱えていた。新政府軍と旧幕府軍の対立が深まるなか、将軍慶喜の警固のため、零次は大坂へ向かう新門親方に同行することに。そんなとき、江戸で薩摩御用盗が火付けをしているという噂が流れ「を組」の長屋に火が放たれた。大坂に上がった零次は、そこで他人の諍いのために死んでいく人々や、凄惨な戦場を目の当たりにし、江戸に戻るころには自分でも分からない心境の変化に気づきはじめる。名もなき火消たちの矜持を描く、時代活劇。
【著者略歴】
神尾水無子(かみお・みなこ)
東京都出身。2023年「我拶もん」で第36回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。著書に『我拶もん』『鴉揚羽の仕業』(文庫書下ろし)がある。
【目次】
内容説明
新門辰五郎親方率いる町火消『を組』の若頭・零次は日々、命懸けで火消に臨む。相棒の龍とともに、敵対する大名火消・蛇ノ目との大乱闘も絶えない。しかし父と幼い妹を失った記憶により、江戸を燃やし尽くして仇討ちを成し遂げたい、という相剋も抱えていた。一方、辰五郎の世話で妹のお七と暮らす尼僧の永遠は、許されぬ罪を背負い、祈り続ける日々を送っている。江戸では薩摩御用盗が暗躍し、折しも時は戊辰戦争前夜、徳川慶喜の警固のため、京へ向かう辰五郎に零次も同行する。会津小鉄との邂逅、火事場とは比較にならない凄惨な戦場の目撃を経て、零次は辰五郎から言われた「お前が昔、おっことしちまったもん」は何なのか気付き始める―。幕末の動乱に揺れる江戸。歴史の裏側で生きる、名もなき火消したちの矜持を描く、時代小説の新旗手による人間ドラマ。
著者等紹介
神尾水無子[カミオミナコ]
東京都出身。2023年「我拶もん」で第三十六回小説すばる新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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