燻る骨の香り

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  • サイズ 46判/ページ数 232p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087700459
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

熱を帯びた薫りは、絡みついて、重く残る――。
『透明な夜の香り』『赤い月の香り』に続く、「香り」シリーズ最終作!

江戸時代から続く京都の香老舗・瑞雲堂。社長の娘である真奈には、飛びぬけた香の才能を持つ妹・丹穂がいた。亡くなった彼女の遺体を荼毘に付す際、あたりを満たしたのは、するはずのない最高級の沈香・伽羅の薫り。
葬儀から数か月後、真奈の前に「伽羅の骨」を探す男・新城と、生前の丹穂との約束を果たしに来たという調香師・小川朔が現れ……。
香りのサロンを開く前、二十代の朔を描いた前日譚にして完結編。

【著者略歴】
千早茜(ちはや・あかね)
1979年北海道生まれ。幼少期をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。翌年、同作にて第37回泉鏡花文学賞を受賞。13年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞、23年『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞。『ひきなみ』『赤い月の香り』『マリエ』『グリフィスの傷』『雷と走る』、食エッセイ『わるい食べもの』シリーズなど著書多数。



【目次】

内容説明

京都の香老舗・瑞雲堂・社長の娘・丹穂には飛び抜けた香の才能があった。彼女の遺体を荼毘に付す際、あたりを満たしたのは、するはずのない最高の沈香・伽羅の薫り。葬儀から数か月後、丹穂の姉・真奈の前に「伽羅の骨」を探す男・新城と、生前の丹穂との約束を果たしに来たという調香師・小川朔が現れ…。香りのサロンを開く前、二十代の朔を描いた前日譚にしてシリーズ最終作。

著者等紹介

千早茜[チハヤアカネ]
1979年、北海道生まれ。幼少期をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。2008年『魚神』で第二一回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。翌年、同作にて第三七回泉鏡花文学賞を受賞。13年『あとかた』で第二〇回島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で第六回渡辺淳一文学賞、23年『しろがねの葉』で第一六八回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

192
調香師シリーズ最終作は、優れた能力故の生きづらさがテーマか。京都の老舗香料店で自殺した社長の次女は、火葬の際に遺骨から伽羅の香りが漂うほど文字通り骨絡みで香りに囚われていた。しかし伝統と因襲に縛られた京都では悪や嘘が平然と用いられ、「ここは嘘の巣だ」と理解しても東京の小川朔のように逃げ出して自由に生きるわけにはいかなかった。そんな嘘と妥協して生きてきた長女は、若き日の朔との出会いから妹の苦しみと自殺の原因を知る。朔の助けを得て周囲の嘘を潰していき、香料を扱う店にふさわしい純粋さを取り戻す物語となっている。2026/05/23

いつでも母さん

135
「嗅覚の記憶は永遠だから」ラスト華香の章で小川朔の言葉だ。あぁ、そうだね。生きてる限り私の身体全部、心全部で覚えているんだよ。ちょっとだけ心が弱る5月に泣けちゃったじゃないか。「香り」三部作、前日譚にしてついに完結。二十代の小川朔が居た。三百年続く京都の香薫の老舗『瑞雲堂』一族の虚と実。若い小川朔と新城が暴くのは何。亡くなった天才調合師・丹穂(にお)の遺骨が伽羅の香がする謎。その姉・真奈の苦悩・・噓の匂いはどんな?じりじりと辿り着いたラストにホッとして千早さんを堪能した感じ。2026/05/27

美紀ちゃん

98
「透明な夜の香り」のシリーズ。 真奈の妹、丹穂(にお) 絶対的な嗅覚を持つ妹。 挙体芳香(きよたいほうこう)。 シリーズを最初から読み返したい。 千早さんの香りの表現が繊細でとても好き。 におってきそう。 伽羅の香りとか嗅いでみたい。 母の秘密、妹の骨から伽羅の香りがする秘密などがわかり、ラストはスッキリ。 小川朔さんは、捜査もできるしカウンセリングもできるし、天才。 またいつか、復活して欲しいシリーズ。2026/06/09

itica

81
繊細な反面、記憶に残るほど強烈な香りを巡り、薫香製造の老舗の娘と調香師・小川朔、朔の幼馴染の新城との間に繰り広げられる物語。シリーズ前日譚の位置付けらしい。香りの海に溺れそうなほど濃密な読書だった。朔の香りに対する能力の凄さを改めて思い知る。 2026/05/29

あんこ

78
人間のもつ業と秘め事の物語。このシリーズの主人公は最初抜け殻のように傷ついていることにも気づいていない、或いはそれに気づきたくないような人ばかりだ。小川朔に出会うことによって、傷ついていきながらも最後は凛とした存在になる再生の物語だと思う。 蓋をしていた感覚や感情が暴かれるのはきついが、その際に文章から洪水のように様々な記憶と香りが立ち上る。静かだけど、美しく恐ろしく、それでいて安堵すら覚える。 人間の執着とそれ故の愛情を描いた逸品。2026/05/03

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