出版社内容情報
飛行機整備士ヌヴァンと探偵見習アンディはサン=テグジュペリの死の真相を探る旅に出るが……。世界的名著に隠された暗号とは?
内容説明
「サン=テグジュペリの死の謎を解いてほしい」カメルーン人の億万長者から依頼を受けた飛行機整備士ヌヴァンと見習い探偵アンディは、世界中に散るサン=テグジュペリの熱烈な信奉者で構成されたクラブ612のメンバーを順番に訪ね、意見を聞くことに。だが二人が面会したメンバーは、後に次々と不審な死を遂げて…。フランス・ミステリー界の巨匠が『星の王子さま』の隠された暗号に挑む!
著者等紹介
ビュッシ,ミシェル[ビュッシ,ミシェル] [Bussi,Michel]
地理学者で元ルーアン大学教授。2006年に作家デビュー。11年刊『黒い睡蓮』でルブラン賞、フロベール賞など数々の賞を受賞し、実力派としての地位を固める。12年刊『彼女のいない飛行機』はフランスで100万部を超える大ヒットに。以来『恐るべき太陽』などの傑作を次々に発表し、フランスを代表するミステリー作家としての地位を確立している。既刊の売上数は1300万部に及び、世界38か国で翻訳されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
138
サン=テグジュペリの死は世界文学史上の大きな謎であり、様々な憶測を呼んできた。本作では遺作『星の王子さま』のストーリーと文章がサン=テックス行方不明事件の現実の経緯と照応する解釈と推理がなされ、予想もしなかった結末が提示される。いくらフィクションとはいえこじつけじみており、ほとんどファンタジーに近い展開だ。ミステリを期待して読むと失望するが、むしろ著者による『星の王子さま』解説本と思ったほうがいい。最高の謎に最高の思いがけないドラマをと望んだ結果かもしれないが、さすがにトンデモ本的な考えはやり過ぎと思う。2025/05/06
yukaring
69
『星の王子さま』で有名なサン=テグジュペリ。パイロットとして偵察飛行中に消息を絶ったまま墜落死したと見なされているが真実は未だ不明。ミッシェル・ビュッシがこのサン=テックスの墜落事故と彼が死の前に書き上げた『星の王子さま』から彼の死の謎を解き明かす大胆な試みの本作。飛行機整備士のヌヴァンと探偵見習いのアンディが億万長者の依頼で『星の王子さま』に隠された暗号を解きつつ真相を探っていく。実際の出来事を元に様々な解釈を重ねながら真実に向かっていくストーリーはまるでノンフィクションを読んでいるかのようだった。2025/03/22
鹿ノ子
8
「星の王子さま」を読んだのはずいぶん昔のことだが、「恐るべき太陽」のミシェル・ビュッシの作品ということで手に取ってみた。思った以上に哲学的な内容で、私には少し難解な部分もあったけれど、原作への理解が数段深まったように思う。2025/04/26
シャンピニオン
7
タイトル、題材から、読まなくてはならない本。最後の提案はいい。それもあり得る、でいいと思う。みんな過去は美しく、死んだ人を悪くも言えないし。 でも、音楽でも絵画でも、どう感じるかは、受け手次第。自由と責任ね…両立出来る範囲で。話は面白いけど、ミステリーを読まない者にとっては、仕掛けや伏線がいちいちめんどくさく、もっとサクッと書いてほしかった。加えて、どこまでホントにある事あった事か、“なにもかも、ごちゃごちゃにしてるよ。” で分かりにくかった。2025/04/23
黒猫
7
星の王子さまを読んだことがないので、物語に身を任せて読んだ。星の王子さまを小説にしたようなイメージを持った。とにかく絵本を読んでみないと。2025/04/11