出版社内容情報
22年前に目の前で射殺された少女とよく似た娘を救うため、イラクに飛んだ元アメリカ兵とイギリス人記者。黒装束の男たちに捕らわれた彼らを助けたのは……!? スリル満点の物語。(解説/三橋 曉)
デレク・B・ミラー[デレクビーミラー]
著・文・その他
加藤 洋子[カトウヨウコ]
翻訳
内容説明
「奇跡だ。彼女を見ただろ?」ジャーナリストのベントンに元軍人のアーウッドが言う。2人の出会いは湾岸戦争の戦場。あの時、目の前で射殺された少女と瓜二つの姿を、戦渦を伝えるライブ映像の中で見つけたのだ。一気に湧き上がる22年前の無念。今度こそ、少女を救出するぞ!体力に翳りの見えるベントン、胸に秘め事のあるアーウッド。再び砂漠の地へと向かうが…。灼熱サバイバル・スリラー!
著者等紹介
ミラー,デレク・B.[ミラー,デレクB.] [Miller,Derek B.]
アメリカ北東部ニュー・イングランド出身。デビュー小説『白夜の爺スナイパー』で2013年CWA賞ジョン・クリーシー・ダガー賞を受賞する。“ポリシー・ラボ”の代表を務め、国連や政府機関、シンクタンクなどで国際関係の専門家として20年以上従事している。ジョージタウン大学、オクスフォード大学、ジュネーブ大学で学び、国際関係学で博士号を取得。現在は、妻と二人の子どもとともにノルウェーのオスロ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
46
湾岸戦争終結時、助けることが出来ず目の前で射殺された少女。それぞれの人生を変えた22年後、イラクでのISによる砲撃映像に映った少女はあの時の少女ではないのか。少女を助けるために乗り込む元兵士アーウッドと記者のベントン。イラク国内で起きている事が現実的にさっぱり理解できない。クルド人、シーア派、スンニ派、ISIL誰が何をしたいがために戦っているのか。22年前の決着をつけるために赴く二人の外国人に案の定の展開が待っている。無くしてしまったものを取り戻すことが希望となる。アーウッドは何処に行くのか。2020/12/04
にしがき
12
👍👍👍 舞台はイラク。湾岸戦争当時とシリア内戦以降。著者は国連他で働いているためと思うが、現地の空気、国際社会の援助がどう行われているかが伝わってくる。最後の最後、登場人物とともに、読み手の自分が当事者でも現場にいる人間でもないことを痛感する。 それはそれとして、小説としての本書も面白い。現実と物語しとしての本書と、考えるべきことが多い。 ただ、邦題は(実話だとしても)ちょっと雰囲気違うかな、というのと、運転手のジャマルの序盤の話し方がテンプレートの中国人的な「~ね」というのはどうかな と思う。2020/12/26
ろびん
9
タイトルだけ大賞で知った本なのですが、比喩とかではなく物理的に冷凍チキンが降ってきてしかもそれが中々重いシチュエーションという。2018/12/25
sidmar arai
3
かなりノンビリしたタイトルだが、読んでみるとかなりハードでキツい状況が500ページぐらい続く。 中東で少女の命を救えなかったと悔恨の気持ちを持つ兵士と記者。 22年後に今度こそ少女を救おうと再び出口の見えない最前線に! いつの時代も男はセンチメンタルでくよくよしてて、いつの時代も女は勇敢に立ち向かう。 男は女に優しくしておくと困った時にきっとなんとかしようとしてくれる。そんな話。結論までの道のりは長いけどね(笑) 大友克洋と矢作俊彦の「気分はもう戦争」を思い出した。2019/06/10
ゼーネップ
3
日本タイトルだけ大賞に選ばれたそうで。それって???と期待しないで読んだのですが、読み応えあり。タイトルと「中年オヤジが美少女の救出に命がけ」という帯からくるイメージよりもハードな感じ。本来こういうのが好きな人が見つけにくくなったのでは?。メインキャラによるアメリカンジョークの軽妙さはたっぷりあるけど、今のイラクでの一筋縄ではいかない対立の複雑さや、国際的な団体のポジションを背景に、戦地の論理で話は進む。登場するお姐さん、お嬢さん達が凛々しい。漫画になったら映えそう。2018/12/30