出版社内容情報
ジョー・ネスボ[ジョーネスボ]
戸田 裕之[トダヒロユキ]
内容説明
警戒厳重な刑務所から脱獄し、父を陥れ自分を騙した者どもを次々と殺していくサニー。一方、オスロ警察のベテラン警部シモンは、このところ続く殺人が実は連続殺人で、そこには隠された規則性があることに気づく。また、犯罪組織側も、サニーを消すため追い始めた。警察と犯罪組織、双方に追われながらサニーは復讐を完遂できるのか―。現在の北欧ミステリーを牽引するネスボの渾身作!
著者等紹介
ネスボ,ジョー[ネスボ,ジョー] [Nesbo,Jo]
1960年ノルウェーのオスロ生まれ。少年期にはサッカーに熱中しプロ選手を目指すも、膝を故障し断念、ノルウェー経済大学に進学。卒業後、就職する傍ら、大学時代から始めた音楽活動も続行し、バンドを結成。しばらく仕事とバンドを両立させていたが、やがて燃え尽き症候群のような状態となり、オーストラリアへ半年逃れる。この時初めて書いた小説『ザ・バット―神話の殺人』が「ガラスの鍵」賞を含む複数の賞を受賞、作家への道が開ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
58
下巻に入っても前半は混沌としたストーリー展開が続く。悪党がたくさん登場し、ドラッグの取引の絡みは麻薬戦争を描いた、ドン・ウィンズロウの作品のような感じ。主人公サニーは刑務所から脱獄し、父を陥れ死に追いやった人物への復讐に突き進んで行く。そんな中で起きる殺人事件を懸命に捜査する警察。いろいろな人物が入り乱れているが、最後は見事に収束している。この先サニーには幸せが待っているのか?その姿には何か哀しさを感じた。ジョー・ネスボの今までの作品の中でも傑作の最右翼の一つ。2016/10/09
goro@the_booby
49
下巻も怒涛の一気読み!物語を進ませる力がネスボは凄いし脇役もそれぞれが際立ってるし、もうホントにドカーンと後ろから大砲を打たれて突き進んでいく感覚です。有無を言わせず走らされてそうなるだろうなと思っていても妙に納得してしまう。サニーとマルタに幸あれと願いつつ読了。ネスボは注目の作家。お見逃しなく!2017/05/22
♪mi★ki♪
30
父は汚職警官に仕立て上げられ殺され、母は自殺。真相を追いながら一人一人始末して復讐してゆく重犯罪刑務所脱走犯の息子サニー。彼を追う刑事のシモン。18歳から12年間ムショ暮らしのサニーを少年っぽさを残した寡黙な北欧系美青年と想像しながら読んだ。北欧の小説らしく陰鬱な雰囲気がとても良いのだけれど、ネスボの小説は毎度、登場人物が多く複雑で名前も面倒。な割には途中で犯人の予想つき易いのがたまにキズ。オマケ★ROCKオヤジ作家ネスボがやってるバンド→https://youtu.be/2Hn8MixPsqY2017/04/18
わたなべよしお
20
ネスポの作品の中では、これより「面白い」作品はあると思う。しかし、あり得ないような話なのに地に足がついていて、登場人物たちの幸せを願わずにはいられなくなる。不思議な物語だ。そして、ちゃんと警察小説なのだ。やっぱりネスポはいいなぁ。2016/08/27
Yoko
18
ノルウェーの短い夏、誰もが心浮き立つ街で繰り広げられるノワール。それもこの国のひとつの顔なのか。そういえば彼の名もサニーだ…。警察小説の大枠の中に復讐と暴力と贖罪と緊迫した愛がある。先の見えない不安が臨場感を増してページをめくる手が止まらない。最後にあるものの受け止めは読み手それぞれなのかも。余韻も含め濃厚で素晴らしかった。2016/09/03