出版社内容情報
エドガー賞ノミネート作。1950年代、衰退するデトロイトで発生した黒人女性殺しと白人女性失踪事件。この二つに関連はあるのか? 当時のアメリカ社会を色濃く描いたミステリー。(解説/温水ゆかり)
内容説明
1958年アメリカ。不況がちらつくデトロイトの小さなコミュニティで、若い白人女性が失踪した。町をあげて捜索するも、行方は不明。一方、時同じくして黒人女性が撲殺されるが、白人はこの事件にはほとんど無関心だった―ただ一人の主婦を除いては。売春、レイプ、人種対立…。衰退する町が抱える闇と、人々の鬱積した思いを映し出しながら、事件は意外な顛末を迎える!エドガー賞処女長編賞受賞作家の力作。
著者等紹介
ロイ,ローリー[ロイ,ローリー] [Roy,Lori]
アメリカ・カンザス州に生まれ育つ。カンザス州立大学卒業。長年税理士として働いたあと、執筆活動を始める。デビュー作『ベント・ロード』が2012年度エドガー賞処女長編賞を受賞したほか、“ニューヨーク・タイムズ注目ミステリ”に選出された。2作目『彼女が家に帰るまで』は2014年度エドガー賞長編賞にノミネート。現在は家族とともにフロリダに在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
61
読む前に想像していた本とは随分違っていた。裏表紙のあらすじを読んで行方不明になった女性の捜査が中心の話だと思った。初めの提示こそ当たっていたものの、その後読むスピードが進まない。話の展開が遅いのだ。それに加えて行方不明になった女性の謎に別の謎が入れ子になっている。近所に住む住人の腹の中に何かある。だがそれらが明かされないまま終盤になるが、どうも良く解らない。舞台が1950年代のデトロイトで、人種の問題等も要素になっていたかもしれないがよく読み取れなかった。謎が謎のまま終わってしまったような印象だった。2016/08/06
ペグ
43
アメリカ。デトロイト50年代。住宅街で起きた失踪事件と近隣地区での殺人事件。題名の(彼女)が帰る(?!)までの7日間、其処に住む女性三人の心模様が描かれています。心理サスペンスやミステリでは無く普通小説のように感じました。作者はとても丁寧に描写していますが私にはちょっと冗長に感じました。好みの分かれる作品かと思います。2016/07/19
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
34
アメリカの高度成長期のデトロイトのある町内で、1人の女が殺され、別の女が失踪する。夫達はグループを作って捜索し妻たちはキャセロールやマフィンなどを作り夫達に食べさせ祈る。コージーではないし、ミステリーでもない。誰も殺された女の捜査をしてない様に見えるし、失踪した女をどう探しているのかもわからない。書かれているのは各家庭に潜む暴力やレイプ、満たされない夫婦仲など。高度成長期の中流アメリカ人達は、芝を刈り、大工道具を揃え、どっさりとパイやケーキを焼き、いかにお金を使うか忙しくしているように見える。あやうい。2016/08/26
信兵衛
28
登場人物の一人一人が嘘を重ねていくところ。それがさらに本ストーリィにおける不穏さをさらに深めていきます。全般に漂う不穏さこそが本ストーリィの真髄。2016/09/07
あっちゃん
20
1958年アメリカが舞台の話、年代のせいか地域のせいかドンヨリとした雰囲気(笑)白人と黒人という意識も私的にはワカラナイし、事件もモヤモヤしたまま読了( ̄ー ̄)2024/11/17
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