出版社内容情報
飛行機事故で唯一生き残った少女は誰の子なのか。少女を取り合う二つの家族、そして真相を追う私立探偵を巡って事件は錯綜をきわめていく…。フランス・ミステリ界の新たな金字塔が登場!
内容説明
1980年12月、イスタンブール発パリ行きのエアバスが墜落。ただ一人、生後間もない女の子が生存していた。同機には身体的特徴が著しく似た二人の赤ん坊が乗っており、どちらの両親も事故死していた。DNA鑑定のない時代、二組の家族が女の子は自分たちのものだと主張する。そして謎を追うべく雇われた私立探偵が、18年の時を経て最後に見つけた手がかりとは―?仏ミステリ界の金字塔!
著者等紹介
ビュッシ,ミシェル[ビュッシ,ミシェル] [Bussi,Michel]
1965年生まれ。ルーアン大学で教職につくかたわら、小説を執筆。2006年に『Code Lupin』で作家デビューし、ほぼ年一冊のペースで作品を発表。2011年刊の『Nymph´eas noirs』でルブラン賞、フロベール賞などを受賞、実力派作家としての地位を固める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
383
★★★★☆ 18年前の飛行機事故で唯一の生存者は赤ちゃんだった。その赤ちゃんが誰なのかを巡って対立する二つの家族。調査に当たった老探偵の手記と現在が交互に描かれ、最後には真実が明かされる。 「18年後に当時の新聞を読まなければ分からなかった」と探偵が言っていたことから推理し、おおよその真相は序盤で見抜けた。 前半はわざと冗長にすることで読者を苛々させるテクニックが用いられており、読むのがしんどかった。しかし、後半は一気に物語が動く感じが爽快で良かった。2023/11/13
遥かなる想い
224
2016年このミス海外第9位。 1980年の航空機事故でたった一人生き残った 赤ん坊は一体どちらなのか..この疑惑を軸に 18年後の1998年と、1980年が交互に語られていく。 生き残った赤ん坊はエミリーなのか、リズ=ローズなのか。 たった一つの真実をめぐる二つの祖父母家族の思惑の展開と、当人リリー、その恋人マイクの心の動きが丹念に描かれていく。 対照的な二つの祖父母の経済状態と相互の 駆け引き..やや長すぎる追跡の跡 浮かび上がった真実とは..最後は落ち着くところに落ち着いた 、そんな印象の物語だった2016/01/17
utinopoti27
164
航空機事故で、唯一生き残った生後数か月の女児の親権を巡って、法廷で争う2組の家族。彼女はどちらの孫娘なのか・・。話は一応の判決が下されてから18年間、真相を追い続けてきた老探偵のノートを主人公が読み進める形で進行するのだが、これがまた冗長の極み。思わせぶりな表現や、本筋に関係なさそうなエピソードがふんだんに盛り込まれていて、読み手はかなりの忍耐を強いられる。これで650頁は必要だったのか?思いっきりネタバレなタイトルに加え、シンプルな謎をとことん焦らして引っ張る力業に、むしろ清々しさすら覚える作品だ。2020/10/29
星落秋風五丈原
64
邦題を見たら「あれ、初めから答えが出てるじゃん!」と思う。しかしこれは1981年にフランスで大ヒットした『翼のない飛行機のように』という歌に引っ掛けているのだそうだ。翼aileと彼女elleはフランス語でどちらも同じ音になる。1981年のフランスというと、日本では人肉事件が検索の最初に出てきておおっとなるが、フランス人感覚で言えば、社会党第1書記のフランソワ・ミッテランがジスカールデスタンを破って当選した画期的な年である。2021/01/19
白のヒメ
61
こういった謎解きものって、自分なりにも推理しながら読み進めるもの。650ページの物語の半分くらいを過ぎて、これはまさかあれじゃないか・・と斜に構えていたら、どうやらそんな方向にいったので拍子抜けするのかと思っていたら、なんのなんの力のある展開に飲み込まれ、後半はあっという間に読み終わってしまった。してやられた感満載。うーん、なんか悔しいほど。そして、読後はじんわりと心が温まる。読メで見つけるフランスのミステリーはヒットばかりだなー。読メに感謝感謝。2019/03/30
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