出版社内容情報
100万ドル強奪事件から40年、記者の情熱が新たな悲劇を呼び起こす。一方その現場に間違えて入った青年は、殺人犯だと疑われ…。全ての真相、その黒幕とは? フレンチ群像ミステリー。(解説/三橋 曉)
内容説明
40年前の100万ドル強奪事件。当時犯行グループの一人だった老人のもとを記者の女性が訪れた。静かな余生も最早これまでか?他方、失恋で傷心中の青年イヴァンは、TVで元恋人が“元カレから届いたラブレター”を面白おかしく曝すのを見てショックを受ける。手紙を奪回すべく、彼女の実家へ赴くが…。因果の連鎖が波紋のように広がる群像劇、その陰に潜む人物とは?フランス推理小説界新星の話題作。
著者等紹介
コメール,エルヴェ[コメール,エルヴェ] [Comm`ere,Herv´e]
1974年、フランスのルーアンに生まれる。大学で文学を学んだ後、昼はバーテンダー、夜は執筆という二重生活を送る。2006年にレンヌに居住し、1作目にあたる『J’attraperai ta mort』(2009年)を出版。2作目の『悪意の波紋』は2011年のマルセイユ推理小説賞などを受賞。2012年からはパリに居を移し、作家活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
63
大金をせしめた五人組・・人生 40年もたてば、紆余曲折あるのは当然。犯人一味の中のジャック イヴァン其々 一人称語りパートが交互に 心情たっぷりに綴られる。ここは些か冗長 退屈。「好奇心は猫をも殺す」と巻末にある通り。「他人の人生に関与、流れを変えるべく窺う」人を設定した事は意外性大。丁寧に読んだ為、出来すぎの偶然が重なって行く事は不自然も感じる。7割過ぎた頃に冷酷無比な現実が次々襲い掛かり 運命は二転三転し カタルシス。ミステリーというか、人生哲学的。ラストは手品師が帽子から鳩を出しす あの感があった。2021/08/21
あっちゃん
37
40年前に強盗をした老人と失恋した青年、全然関係無い2人が交互に語られる接点待ちの状態が続く(笑)私的には強盗や詐欺とかのミステリーは得意では無いけどフレンチミステリには似合う( ̄ー ̄)2024/10/15
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
34
目を引くカバーイラスト通りの物語。 これは40年分の大きな波紋なんですね~(笑)。 初老のギャングと気弱な青年の人生がどう交錯していくのか、いろいろ想像しながら一気読みできました。 ただ、エピローグで明かされる本当の真相には怒りしか感じません! なんだか爽やかにまとめていますが…ふつう許せないんじゃない? ある人物のあんまりな言いぐさに納得できないから、読後感はよろしくないです…☆2015/06/10
のぶ
30
自分の過去の経験からサスペンスでそれなりの綾を持たせようとすると、450から500ページは必要で、本作のように340ページ程度では余程の筆力がないと難しいと思う。この本は絵画ミステリーやクライムサスペンスとして凡庸で、特に特筆する部分はない。なぜこの本を買ってしまったのか?初めての作家の場合、書評等で良く書かれていなければ買わないはずなのに?覚えていない。次はないと思います。2015/08/01
しゃお
30
かつて仲間と共に絵画を盗んでそれを人質に100万ドルを奪った昔気質のギャングと、元カノを忘れられないウェイターの若者の二つの視点で描かれる物語。果たしてどのように二つの視点が交わるのか先が見えないままに読み進むと、思いがけない展開で物語が一つに。一羽の蝶が・・・では無いですが、ひとつの行為や言葉がいくつもの運命を変えていく、それが無自覚で無かったとしたら恐ろしい事かも知れないけれど、その先を見届けたくなる気持ちも分からないでもないですね。もっと後味が悪い物語なのかと思ってましたが、意外と悪くなかったです。2015/04/29