出版社内容情報
オーストラリアで起きた連続女性殺人の捜査に当たることになったノルウェー人刑事ハリー。異邦人として捜査に苦闘するが、容疑者は二転三転する…。「ガラスの鍵」賞受賞の驚異のデビュー作、登場!
内容説明
オーストラリアで働くノルウェー人女性が死体で見つかり、オスロ警察の刑事ハリーは捜査協力のため、単身シドニーに赴く。ハリーも加わった捜査班の前に次第に浮かび上がる、隠れていた一連のレイプ殺人。犯人の目星は二転三転し、捜査班は出し抜かれては後手を踏む。さらに、封じ込めていた自身の過去がハリーを苛みはじめる…。「ガラスの鍵」賞受賞に輝く驚異のデビュー作、登場。
著者等紹介
ネスボ,ジョー[ネスボ,ジョー] [Nesbo,Jo]
1960年ノルウェーのオスロ生まれ。ノルウェー経済大学に進学。卒業後、就職する傍ら、大学時代から始めた音楽活動も続行し、バンドを結成。しばらく仕事とバンドを両立させていたが、オーストラリアへ半年逃れる。この時初めて書いた小説が『ザ・バット―神話の殺人』で、帰国後、97年に出版されるや、「ガラスの鍵」賞を含む複数の賞を受賞、作家への道が開ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
114
ジョー・ネスボはすでに7作読んでいるのに、このデビュー作はまだだった。果たして、デビュー作という感じ。冗長な所も多く、ピリリとしたジョー・ネスボを知っている今となると、切れ味が悪い。しかし、作者自身が人生で迷いがある頃に書いてみたこの作品で賞をとったから、今の彼の作品達があるわけだ。そう思うと、この作品の中にいる北欧からやってきて何となく暮らしている女性たちが、作者と重なる。クライムミステリとしては、まあ、こんなものかというところ。2021/02/18
巨峰
102
シリーズ第1作。ノルウェーの刑事ハリーは、遠く離れたオーストラリアで殺された同国人女性の捜査のためにオーストラリアに派遣される。快調な出だしから快作を予感させたのだが、物語は2転3転するうちに迷路にはいりこんでしまう。57もの章でできた長編小説で1章は長くはないものの、章ごとに、もしくは章の中で何度も場面転換するため、ややまどろっしく長さを感じた。一見オーストラリアの観光小説風でもあるが、原住民の問題やLGBTなどにまで踏み込んでいるのが特徴か。予想外に殺される人が多くて暗鬱な展開になってしまっている。2018/12/10
goro@the_booby
54
ネスボの処女作でありハリー・ホーレシリーズ第1作。「ガラスの鍵賞」受賞作。シドニーで起こったノルウェー女性殺人事件を手伝うためにやってきたハリー。先住民刑事との交情を描きながら殺人犯を追って行くがとらえきれない。ハリーの過去も明らかになるのだが、この地でもまた酒に溺れる事になる。傷つき失いながらもここからシリーズが始まったんだな。2017/07/14
キムチ
45
どうもネスポさんとは波長合わないようだ。「スノーマン」で感じた絶妙さが無く、文字面を追って行くのみの読書。オーストラリアに飛んでレイプ犯と思しき男を追い詰めて行く過程がネスポの腕の見せ所だろうけれど訳のせいもあるのかやたら軽いノリの台詞やト書きが続くとイラついてしまう。現地の刑事がヤラレル事でも人種間の差別に言及して行くのだけれど共感が持てなくて悪いなぁ。。。2019/07/01
ハスゴン
34
確かにこれを最初に翻訳だと、翻訳が続いていなかったかもしれないけど、今後が面白いと評価なので期待したい!2019/09/26