出版社内容情報
15世紀ローマ、謀略と毒薬を武器に栄えたボルジア家が舞台、筆頭毒殺師を女主人公に、ユダヤの富を背景に教皇まで輩出した一族の数奇な運命をスリリングに描く歴史ロマン。全米で話題のベストセラー!
内容説明
15世紀末、ルネッサンス華やかな中世ローマに、徒花のように権勢を誇った一族・ボルジア家。謀略と潤沢な資金で、その長ロドリーゴは枢機卿から教皇の座を狙うまで昇りつめるが、その最大の武器は“毒”だった。一族には“毒殺師”と呼ばれる仕事人がいて、次々と迫り来る強大な敵に秘薬を調合、闘い、抹殺する。本書は何者かに殺害された父の跡を継いだ女主人公の数奇な物語。全米で話題の大人気シリーズ!
著者等紹介
プール,サラ[プール,サラ] [Poole,Sara]
ジャーナリスト一家に育ち、12歳の時、作家を志す。広告、出版でキャリアを積んだ後、『毒殺師フランチェスカ』で小説家デビュー。アメリカ、コネチカット州在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
48
中世ローマを舞台に繰り広げられるスリリングな作品でした。ボルジア家が雇っていた父親が殺されたため、毒殺師の娘・フランチェスカが復讐のため雇われたことから物語は始まっていきます。女性毒殺師は魔女と言われる中、話はユダヤ人追放令に絡んだ大物の暗殺へと展開していくのが手に汗握りました。フランチェスカは優秀で行動力がありますね。殺人と信仰の間で揺らぎながら暗殺師としての立場に徹底していくのもいいです。フランチェスカとチェーザレのロマンスも書かれています。全体的にシリアスな歴史ロマンで面白く読むことができました。2014/10/31
星落秋風五丈原
35
インノケンティウス8世の死からアレクサンデル6世(ロドリーゴ・ボルジア)の誕生まではドラマティックな展開であり、ドラマでも小説でもよく取り上げられる。ロドリーゴ・ボルジアが第一候補ではなかったにも拘わらず、有力なライバルを退けたからだ。裏では何かあったに違いないと囁かれるも、確たる証拠は残っていない。そうなるとフィクションの出番、いた人いない人、あった事なかった事の書き放題だ。コンクラーヴェの行方がどうなるかは知っているので、今回は最低ラインの安心感はあった。 2018/12/08
眠る山猫屋
35
ボルジア家に使える毒殺師の物語。教皇選を間近に控え、暗殺された父の後を継ぐフランチェスカ19歳。時代的には大好きなのだが、フランチェスカが良い娘過ぎて。チェーザレは序盤は自意識過剰な若殿様だし、ルクレツィアは純粋無垢。中盤からユダヤ人根絶を狙う狂信者が現れ、次第に面白い展開に。お守り役の傭兵隊長ヴィットリオさんやボルジア父さんなど魅力的な登場人物たちに救われて冒険活劇。チェーザレも後半にはキレッキレ。でも不要な恋愛要素が気になった・・・。2018/09/17
みろ
10
悪名ばかりが高いボルジア家に仕えた『毒殺師』だった父親の跡をついで同家に支えるフランチェスカ。ロドリーゴ・ボルジアがこの時代では先進的な考えをもち、暗黒の中世に終わりをもたらそうとしている人物として描かれているのは面白い。続きは出るのかな?2015/03/29
ほちょこ
6
惣領冬実さんの「チェーザレ」、塩野七生さんの「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」を好んで読んだ私にとっては、ボルジア家を読み進める上でさらに興味深かった一冊。やはりここでもチェーザレは色男。2014/11/04