集英社文庫
ペーパーボーイ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 478p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087606669
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

1969年、フロリダ。新聞配達の僕は新聞記者の兄と地元で起きた殺人事件を再調査する。加害者の婚約者である女性に本気の恋をした僕は、濃密な人間関係に巻き込まれていく。映画化原作。(解説/青山南)

内容説明

1969年、フロリダ。大学を退学した僕は父の新聞社で新聞配達を手伝っていた。そんなとき、マイアミで新聞記者をしている兄が僕の住む小さな町で起きた殺人事件の取材のため、同僚とともに帰省する。犯人とされるヒラリーは死刑囚として獄中にいる。婚約者のシャーロットは冤罪を主張し、兄たちと事件の再調査を始める。かなり年上のシャーロットを好きになってしまった僕は、事件の謎へ足を踏み入れていく。

著者等紹介

デクスター,ピート[デクスター,ピート] [Dexter,Pete]
アメリカ・ミシガン州で生まれ、ジョージア州、イリノイ州などで育つ。『フィラデルフィア・デイリー・ニュース』紙や『サクラメント・ビー』紙のコラムニストとして活躍する傍ら『エスクァイア』誌や『プレイボーイ』誌にも寄稿。著作は全米図書賞を受賞した『パリス・トラウト』や『ブラザリー・ラヴ』など。『ペーパーボーイ』の映画化にあたっては、監督のリー・ダニエルズとともに共同で脚本を執筆。現在は、ワシントン州在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Porco

16
新聞記者って、なんて危険な仕事なんだ。2019/09/10

algon

7
父が経営する新聞社の配達をしているジャック、兄だが別新聞で徹底的に取材ネタを洗う記者のウォード、兄とコンビを組み兄のネタを記事にするヤードリー。そこへ死刑囚と婚約して無実を晴らしてくれと依頼に来る女性シャーロットが現れた…。その取材は困難を極めたが結局ヤードリーのペンでピュリッツアー賞を取るに至る。しかし…。軽い小説と勘違いして借りたが家族、女性、特殊な環境での取材、兄の破綻等、中々重い主題が複層的に表れてくる歯ごたえのある長編。しかし主題を引っ張った割に終局の兄弟の造型が甘いように思えたのが残念だった。2023/12/17

DEE

5
夏の太陽とジメッとした拭いがたい湿気を感じながら読む。 新聞社を営む父と記者の兄、そして主人公のぼく。 死刑囚の真相を追っていくにつれ、物語は奇妙に展開していく。 記事に対して真摯だった兄の痛いくらいの真っ直ぐさが切ない。 図書館で間違えて借りたので予備知識もなく、面白くなかったら止めようと読み始めたのだけれど思わぬアタリだった。 読後に胃に重い何かは残るけど。2018/02/08

たみき/FLUFFY

4
えん罪ものかと思いきや、そんな単純な展開じゃなかった。兄の一種病的なまでに物事を追求していく姿を弟の視線で描き、父との葛藤や湿地帯で生活する一族の不気味さや、狡猾というよりも「ちゃっかり」と言った方がしっくりくる兄のパートナーの動きなど、同時進行で様々な物語が描かれる。映画で描かれると面白いだろうなという場面はいくつもある。特に、クラゲとアイス。サスペンスというよりも、一種の青春ものであり、成長もの。読後は決して爽やかにはならず、重い痼りのようなものがずんと残る。2013/07/19

真魚八重子

3
映画はかなりオリジナルな部分があって、違う印象の衝撃を受ける。小説は記者である兄が真摯であるがゆえに取材対象を奪われると、崩壊していく資質を見つめる。そして奪われるより早く、崩壊を呼び寄せる兄自身の破滅的な資質と。兄弟が湿地帯を行くシーンが印象深い。「兄の体はさらに4、5センチ、泥の中に沈んでいた。『兄貴、沈んでるよ』とぼくは言った」。掴んでいてあげたいのにすり抜けていって、みすみす落ちていく人がいる。愛していても、何もできない。2013/07/13

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