出版社内容情報
人気シリーズ、運命の最終幕!
断頭台送りを避けるため最善の策を尽くすアン。5番目の妻として寵愛を受けるキャサリン。女官として仕える嫉妬深いジェーン・ブーリンは、怖ろしい策略に加担する…。凄まじいまでの女の駆け引き。
内容説明
魔女の疑いをかけられそうになったアン・オブ・クレーヴは、断頭台送りを避けるため、最善策を模索していた。一方、ヘンリー8世の寵愛を受けるキャサリン・ハワードは、贅の限りを尽くすかわりにヘンリーとベッドをともにするが、ことは思うように運ばなかった。ジェーン・ブーリンはキャサリンが早く身ごもるよう、恐ろしい策略に加担する。そんな女たちの駆け引きを嘲笑うかのように、運命の最終幕がいま上がる。
著者等紹介
グレゴリー,フィリッパ[グレゴリー,フィリッパ][Gregory,Philippa]
テレビやラジオのジャーナリスト、プロデューサーの経験もある、イギリスの作家。エジンバラ大学で18世紀文学の博士号を取得。歴史小説の第一人者であると同時に、現代を舞台としたサスペンスにも定評がある。現在は、家族とともにイングランド北部に住む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ann
51
シリーズ完読してしまった。好きな作品ほどドラマ化や映画化したものは絶対に観ないので、自分の想像の中のチューダーやハワード一族を反芻しながら、他の作品もこれから読みたい。2018/12/29
ぱなま(さなぎ)
26
名前だけ知っていた二人の王妃の顔が見えたような気がします。アン・ブーリンとはちがい、本書のヒロインたちは生きる時代が違えば、無残な形で歴史に名を残すことはなかったことでしょう。老いたヘンリー王の描かれ方はまるっきり裸の王様で、客観的に見ればあきれるほど滑稽であり、憐れみすら誘います。ところが、本当のことを叫んだ子どもは処刑されてしまうのです。個人的な好みを言うとしたら、トーマス・ハワードを単純な悪人としてだけではなく、野心の理由を掘り下げてほしかったですが、話が散漫になりすぎるでしょうか。2018/02/21
noémi
15
イングランドの狂犬のような暴君に添わされることになったクレーヴのアンとリトル・キティ。若い頃は才気溢れる長身痩躯の貴公子だったヘンリーも歳をとると豚のように醜く猜疑心の強い嫌な爺となりはてる。賢いアンは危機を才知で乗り切ったが、享楽的で愚かなキティはあわれ、断頭台の露に。キティの愚かさはむしろ純粋で痛々しいほどだ。まだ16歳だったのにと。ただ終わり方があまりに惨いのでなかなか読み進めるのが辛かった。2017/12/17
haruka
14
面白くて面白くて、何回も一気に読んだブーリン家シリーズの中の1作。1では14歳のメアリーさえときめかせていたヘンリーも肥え太った爺に成り果て、覆面で現れるショーを開催して勘違いしているのが笑えた。若い美女を次々自分のものにしては気まぐれに処刑するヘンリー、一族の娘を性奴隷として平気で踏み台にするトマスハワードらは長生きし、総合的には良い人生…。みんなキリスト教をちゃんと信じてたの?神が許しがどうのって妙にこだわってるわりに酷い行いばかりして何が宗教だよと思う。2012/11/13
なほみ
10
ヘンリー八世の気持ち悪さと恐ろしさったら酷い。 本書を読むまでアンオブクレーヴは運が良いと思ってたけどなかなかギリギリの線で生き延びていたんだなー。キャサリンハワードは子どものまま王妃になってしまったが故の悲劇。好きだったシリーズ全4作読み終わっちゃった。2018/01/26