内容説明
殺人事件の被害者が暮らしていた「ホワイトソーン館」に潜入した刑事キャシーは、ここに住む学生らとの共同生活に不思議なほど馴染む。しかし、屋敷が背負う暗い歴史、周囲の村の住人との摩擦…そこから浮上する数人の容疑者。やがて完璧な調和を保っていた共同生活のほころびが見えはじめ…。被害者が抱えていた暗い秘密とは?真犯人は?事件の真相が心を刺す、感動のミステリー。
著者等紹介
フレンチ,タナ[フレンチ,タナ][French,Tana]
アイルランド、イタリア、アメリカ合衆国、マラウィ共和国で育ち、1990年以降はアイルランド・ダブリンで暮らす。トリニティー・カレッジで演技を学び、女優や声優として働いた後、『悪意の森』で作家デビュー。エドガー賞新人賞をはじめ数々の文学賞新人賞を受賞し、一躍注目を浴びる存在となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
み
20
キャシーが可哀想に感じます、潜入捜査ってツラいよね。次作は、フランクさんが主役の作品とあとがきに書いてありました、楽しみです♪2022/08/13
rokai
9
なんといってもこの本の魅力は、読者に濃密な読書体験を提供してくれること。 アイルランドの古い家で暮らす男女の濃厚な時間が 自分の事のように追体験できるところです。 アイリッシュ系の人が多いアメリカで成功を収めた小説だけど そういう点を割引いても 設定の面白さや綿密に構成された人物像、村での暮らしは読者に既視感を与え 酔わせてくれます。 ミステリーとして読むより楽園追放物として読んだほうが良いかと思います。2011/02/13
みゆき
5
面白かった。前作の方が好きだが、似た感じの雰囲気でよかった。主人公に時々イラッときたが、許容範囲内。 ミステリとしては微妙な感じもするが、読み物として面白いので他のももっと読んでみたい。ただ、タイトルがいまいち。2022/04/13
バーベナ
5
館に暮らす4人は他者との交流はせず、ネットもテレビも無し。食後は本を読んだり、クラシックをきいたり。浮世離れした穏やかな暮らし。でも、あ~人間ってどうして同じままでいられないのかしら。自然と出来上がった共同体ではなく、作り上げたものの脆さが露わになってしまって、ちょっと辛かった。2019/03/12
shiman
5
上巻は読みづらかったが、下巻は久々に夜更かししながら堪能。潜入捜査が佳境になってからは家主から目がはなせない。期待していたよりも前作でのロブとのエピソードが多いな、と思っていたら、最後にさらっと「一人で海を渡った」ことを語られて前作での悲劇性がアップ。被害者との「すこしばかりあった共通点」だったことがこんなことだなんて。2011/11/19