内容説明
母が亡くなって2年後、元エンジニアで変わり者の父が、ウクライナからやって来た豊満なバツイチ美女と結婚すると言い出した!父84歳、美女36歳。母親の遺産問題で仲の悪くなっていた2人の娘は一時休戦、財産とヴィザ目当てに違いないその女性から父を守るべくタッグを組み、追い出し作戦を開始するのだが…。ヨーロッパで話題騒然のイギリス発世界的ベストセラー、日本初上陸。
著者等紹介
レヴィツカ,マリーナ[レヴィツカ,マリーナ][Lewycka,Marina]
1946年、ドイツ・キールの難民キャンプで生まれる。両親はウクライナ出身。戦後、一家でイギリスに移住。キール大学とヨーク大学で学ぶ。2005年、58歳で小説家としてデビュー。処女作『おっぱいとトラクター』は、英語圏で100万部超のベストセラーとなり、37カ国で刊行されている。同作でイギリスのコメディ賞Bollinger Everyman Wodehouse Prizeを女性では初めて受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しいたけ
124
英国在住元エンジニアの変人パパ84歳。36歳子持ちの女と結婚し、ウクライナから呼び寄せるという。パパは女のおっぱいにメロメロ。母親の遺産で揉める娘2人がタッグを組み、この女を追い出しにかかる。このボイン女の悪魔っぷり。娘らの会話と心の声。『トラクター小史』の執筆なんぞに逃避する、パパのハンパない情けなさ。昭和のホームドラマ風ドタバタ劇に大笑いする。ところが源泉に、ウクライナでソ連やドイツに痛めつけられ英国に逃げてきたパパ一家の歴史が盛り込まれる。太陽を拝むかの如きラストについて語り合いたい。是非読んで。2018/02/28
Koichiro Minematsu
48
新聞の書評で読んで読んだが、邦題はそうだが、「巨乳とエロぼけじーさん」がしっくりくる。著者の自伝小説だが、たぶんあまり話は盛られていないんじゃないかと。背景にあるウクライナの歴史とイギリスの社会情勢がよく分かるのが良い。結局最後は翻弄されるが、人間らしい幸せの求め方だな。2021/06/08
たまきら
40
ウクライナ出身の親を持つイギリス人著者の自伝的作品。もう全編笑いっぱなし。献身的に母を看取った後遺産でもめた姉妹が、80過ぎた父親が巨乳のウクライナ美女(彼女たちより若い)と再婚すると聞き最強タッグを組みます。娘ならではの容赦ない描写がたまりません。読後感も脱力(笑)。娘がタイトルを見て興味を持ったので(このタイトルを思いついた編集者さんがすごいと思う)かいつまんで説明したら「バカじゃんおじいさん!」女子は肉体によろめく男性には容赦ないのよ~。2021/01/14
ツバメマン★こち亀読破中
28
84歳の父がウクライナから来た34歳の豊満美女と結婚する!?そんなの財産と国籍取得目当てに決まってる!仲の悪かった二人娘は一時休戦、お人好しの父を救うべく立ち上がる!良いも悪いもない、皆生きるのに必死!背景のロシア革命、第二次対戦、ナチス…ウクライナの不幸な歴史も含め、重苦しくなりそうな話をユーモラスな文体で書かれています。タイトルに惹かれてかいましたが(コラッ)予想外に面白かったです。オススメですよ!2017/10/22
himehikage
24
ソビエト連邦による大粛清と独ソ戦を生き抜き、イギリスに移住したウクライナ人一家の物語。年老いた父親が、年の離れた子連れウクライナ女性と、明らかに財産とヴィザ取得目的の結婚をすることになり、母の死以降、仲違いしていた姉妹が協力して、その女性を追い出そうとするドタバタ、ユーモア小説なのだが、少しずつ語られていく一家の過酷なヒストリーとの対比によって、読後は平和の重みを痛感させられるという思いがけない感動が待っていた。最後まで読んで良かった。 2021/05/18