内容説明
1862年、ファーガソン博士の「気球によるアフリカ横断計画」が発表される。新聞は、ナイル川の源流を探ろうとすることは、夢物語と考えられていたが、博士の大胆な試みがこれを可能にし、やがて大きな成果にまとめられるだろう、と報じる。そして、出発点はアフリカ東海岸のザンジバル島だが、到着点は神のみぞ知りたまう、と結ぶ。全世界を熱狂させた「驚異の旅」シリーズ第一作。
著者等紹介
ヴェルヌ,ジュール[ヴェルヌ,ジュール][Verne,Jules Gabriel]
1828‐1905。フランス西部のナントに生まれる。空想科学小説の父。子供のころから冒険小説や旅行記を読みふけり、未知の世界に憧れる。少年時代の夢に、地理学、物理学等の新しい知見を盛りこんだ『気球に乗って五週間』によって、たちまち流行作家となる。以後、小説「驚異の旅」シリーズ80余編を発表。今なお、古典的名作として世界中で読み継がれている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
102
デビュー作で既に彼の創作スタイルが確立されていることに驚く。またディテールがしっかりとしている。冒険の最中でも風速、移動距離、高度が常にリアルタイムで記載されており、さらに後半では気球からガスが抜け、次第に高度が下がってくるのを食い止めるため次々と不要な物を落としていくが、それらの重量と上昇した高度がきちんと数字で示しされる。また様々な困難で主人公たちの浅ましい一面を見せるなど、決して完全無欠の人間のように描いていない。書かれたのは1863年!2世紀も前である。改めてヴェルヌの想像力と物語力に驚かされた。2017/03/26
こばまり
48
エクセルシオール!私もアフリカの空にぷかりと浮かんで栄養満点のペミカンとやらを食してみたい。エキゾチックな自然描写もさることながら、3人の主人公がいずれも好人物で。人種主義や動物愛護の観点から、ぎょっとする部分もありますが、21世紀に生きる私も十分にわくわく楽しめました。2015/02/06
くみ
15
久々のヴェルヌは気球にのってアフリカ大陸横断。気球!というところがすごい。ライト兄弟の初飛行が20世紀だから飛行機ない時代か。気球と言ってもバカにできない。主人公ファーガソン博士は理系研究者の冷静さと粘り強さで気球を改良、そして冒険中もその冷静さは大いに発揮される。基礎をしっかり抑えているといくらでも応用が効くというお手本のようだ。そこへ感情豊かな従者ジョーと友人ケネディが加わっていいバランスに。私はいつ気球が破れるか心配で心配で。重ね重ねになるが全てを計算して冷静な判断をする博士は本当にすごいと思った。2020/06/17
lico
9
ヴェルヌの旅シリーズ一作目。気球でアフリカを横断するお話。一作目とはいえ、3人の冒険者、詳細な説明、科学者気質な人物、優秀な執事、旅が賭け事の対象になる、など後のヴェルヌ作品に見ることができる多くの型が既に見え隠れしている。一方で後の作品と比べるとアフリカ人や植民地の扱い方がかなり雑に感じ、ヴェルヌの意識の変化が見えてくるようで面白い。ヴェルヌの未知なる世界への憧憬と科学の挑戦は、この作品においてもしっかりと根付き、私たちを『より高く』へとつれていってくれることでしょう。2014/02/08
Richard Thornburg
5
感想:★★★★ ナイル川源流を探るべく、ファーガソン博士は気球でアフリカ横断計画を発表するところから物語は始まります。 1862年当時の時代背景を考えますと、アフリカはまだまだ暗黒大陸のイメージだったと思います。 そういう観点からすれば『月世界へ行く』『八十日間世界一周』『地底旅行』と同じくとてつもない話だったと思います。 話はヴェルヌ節炸裂ですが(笑)主人公の人間味あふれる姿は先述の3作品より魅力的に見えます。 子供たちには是非とも読ませたいなぁ~2013/02/28
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