内容説明
ころころとした熊の子みたいなビンゴは飼い主シートンの優しい眼差しに包まれ、自由気ままに育つのだが、主人に危険が迫ると、どこからともなく駆けつけてくる。不思議な絆で結ばれた飼い犬の物語である表題作の他に、多くの困難な敵に負けずに家族を守りきる、知恵と勇気を備えたキツネの物語「銀ギツネの伝記」、好奇心旺盛なアライグマの子どもの冒険を描く「ウェイ・アッチャ」を収録。
著者等紹介
シートン,アーネスト・T.[シートン,アーネストT.][Seton,Ernest Thomps]
1860~1946。英国生まれ。カナダの森林地帯で育ち、ロンドン、パリで絵を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マーブル
13
シートンの描く動物は、飼い犬であってももっと野性的だ。人間もより野生に近く、時には生死に関わるような事件も起こる。どちらが幸せなのか。安易に断言などできはしないが、登場する動物たちは自然の厳しい掟の中で気高く生きている。きっとシートンが存命の頃に比べて、野生動物たちは激減していることだろう。彼が生きていたら、この現状をどう思うだろうか。キツネを捕える罠など仕掛けず、逆に保護活動に身を捧げるのだろうか。絶滅が危惧される種の保存運動に参加するのだろうか。動物園についてはどう考えるのだろう。意見を聞いてみたい。2022/04/16
sibasiba
7
文庫版シートン動物記「愛犬ビンゴ」「銀ギツネ伝記」「ウェイ・アッチャ-キルダー川のアライグマ」三篇収録。銀ギツネが狐視点の成長サバイバル物でこの本で一番の傑作だがビンゴの不思議な忠節も味があってよろしい。ウェイ・アッチャの好き勝手いたずらっぷりも楽しいな。動物視点だと人間も自然の一部だ。2016/12/23
かみーお
3
ある一定の年齢を過ぎてから読むと、ただ単に物語にのめりこめなくなって、「これは事実か」「フィクションの要素はどこからどこまで?」とか「この主人公はシートンか?」とか視点のことを考えてしまう。しかし、いい!銀ギツネのはなしは手に汗握る。事実かフィクションか分からないからこそ、ラストにシビアな結末が待っている可能性を考えてドキドキする。2010/07/06
カネコ
2
○2013/02/24
シャル
2
シートンの動物の目線にたった視点と注意深い観察とそれに裏打ちされた豊かな想像から書かれた、様々な動物達の物語。中でも銀キツネドミノの話は、自然の中で生きる厳しさと日々を生き生きと描き、自分達もずっとキツネを観察し続けていた気持ちにさせてくれる。あと、ビンゴの物語は最後が悲しいな。2011/08/08
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