集英社文庫
ルドルフ―ザ・ラスト・キス

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 454p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784087605518
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

1889年1月30日、マイヤーリングの森に、2発の銃声が轟いた。皇妃エリザベートの息子であるオーストリア皇太子ルドルフと17歳の男爵令嬢ヴェッツェラが謎の死を遂げたのだ。この瞬間から世界は目に見えて誤った方向へ進み始める。激動する世界情勢のなか、19世紀末ウィーンを舞台に苦悩する若き日の画家クリムト、神経科医フロイト、劇作家シュニッツラーなどの青春群像も併せ描く歴史物語。

著者等紹介

モートン,フレデリック[モートン,フレデリック][Morton,Frederic]
1924年ウィーン生まれ。ナチス政権のために祖国を離れ、ロンドンのソーホー地区でパン屋の徒弟となる。1940年に渡米し、ニューヨークでパン焼き職人の仕事を続けながら文学修士号を取得。「ニューヨーク・タイムズ」「エスクァイア」「プレイボーイ」などにコラムを寄稿。現在はニューヨーク在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

em

13
ロマンス風のタイトルですが、抑えた筆致の群像劇。ヨーゼフ・ロート、ツヴァイクが深い郷愁の念をもって描いた世紀末ウィーン。嵐の前の静けさのなかで、汎ゲルマン主義、反ユダヤの足音が聞こえる。現代的苦悩を先取りしたとも言える自殺者、オーストリア皇太子ルドルフ。ヨハン・シュトラウス、マーラー、ブルックナー、クリムト、フロイト……世の称賛を集める者も、不遇の天才も、華やかな都にあってどこか疎外感を感じている。「数ある欧米の首都のなかで、”新しい人間”がもつあやうさを知らせたのは、この古いウィーンだった」2018/04/21

春ドーナツ

10
「世紀末ウィーン」という語感に言い知れぬ浪漫を感ずる。虚像と現実。本書は1888年7月から翌年4月まで、皇太子ルドルフの苦悩を縦糸に紡がれる歴史物語だ。栄華を極めたハプスブルク家にも、いつかは黄昏が訪れる。日の名残りは美しくもあれ、一抹の寂しさも禁じ得ない。無意識にせよ、過去にしがみついてしまう場合、大陸の一帝国としては退行を意味する。ブルジョアジーが台頭して貴族が日陰者となり、国民皆兵国家へと進むのが正しい流れなのかは別の論になるけれど。ルドルフの決断が夜のとばりを降ろす。ギロチンの刃のように。2018/03/15

おおくま ねこ

0
ミュージカルの原作本ということで読み始めたけど、舞台作品とはかなり違ってます。物語というよりは、歴史を描き出した書簡集。ルドルフの最後の時間の背景に書き込まれた、その時代の有名な人、後日有名になった人、普通の人、いろんな人の姿がメインかも。2008/05/21

真時

0
☆☆☆2008/04/03

kamome

0
狂王じゃない方のルドルフ本を始めて本屋でみかけたので購入。時代背景が面白かった2008/05/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/105357
  • ご注意事項

最近チェックした商品