内容説明
1963年冬、イギリスのダービーシャー州の寒村から、13歳の少女アリスン・カーターが消えた。さっそく警察は捜索を開始するが、少女の行方は不明のまま。住民は無口で、よそ者に心を開かない。若き警部ジョージ・ベネットは殺人事件と考え、ついに被疑者を拘留する。死体なき裁判が始まった…。『殺しの儀式』でCWAゴールド・ダガー賞を受賞した作家の、話題の新作ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
奈生
4
分厚かったが入り込むと一気に読めた。閉鎖的な小さな集落内で起きる少女の行方不明事件。長い時を経て明らかになったその真相は辛いものだった。きっかけとなる出来事は本当に腸煮え繰り返るような、ぞっとする事。鬼畜だ。それを解決すべく、が必死に犯人を追い詰めていくジョージの姿が良。なかなかストーリーが進まないが、先が気になって読んでしまった。2014/11/05
わたなべよしお
2
解説者が「マクダーミドの最高傑作」と書いていたが、そうかなぁ。作品としての完成度も高いし、マクダーミドが持てる力をフルに使って、壮大ともいえるトリックに取り込んだということは分かる。でも、途中からなんとなく全体構造が見えてきてしまった。ネタバレになるから曖昧にしておくが、既に基本的に同じパターンの作品は英国の女性作家が書いている。ストーリー展開もスピーディーさがなく、トニー&キャロルシリーズや「迷宮の淵から」の方が僕には面白かった。とはいえ一級の作品ではあると思う。2013/05/21
積読荘の住人
1
手強い婆さんが出てくるミステリは傑作の法則(異論は認める)2024/11/26
ブル-ス
1
完全犯罪 共犯者多数 事後従犯多数2023/04/23
Astroswitch
0
アリスンは人生をずっと苦しみ続けてきたのだろう。少なくとも3度は苦しんできたに違いない。それらは全て周囲の人のせいであってアリスンは悪くないから悲しくなる。 また、アリスンを助けるために粉骨砕身してきたジョージや、トミー・クラフの苦しみも癒えることはないのだろう。解決に向けてあんなに苦労してきたにもかかわらず、それを裏切られる苦しみに耐えていくのだろう。せめて村の人々がジョージ達のことをもっと信じてくれていればこんなことには…。 皆が苦しみ、悲しみ続けてきた。この秘密をこれからどうしていくのだろう。2016/08/20