内容説明
ソルヴァング社のマークは世界中の2000年問題解決に必死に取り組んでいた。そんな折、米国防総省から強圧的な協力要請が。ハイテク米軍もY2Kに脅かされているという。時すでに遅く、日本から始まったコンピュータシステムの崩壊は、世界中で惨事の連鎖を起こす。南シナ海では国籍不明の艦艇が米駆逐艦を撃沈。背後にはこの危機に乗じた陰謀があり、世界は第三次世界大戦勃発の瀬戸際に。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
臓物ちゃん
5
「それは恐ろしい光景だった。明かりが順番に地球の表面から消えていくのだ。(中略)2000年が地球の表面を舐めてゆく」ありえたかもしれない世紀末、2000年問題で全てのコンピュータがクラッシュした事から始まる渾沌と破局を緻密に描いたシミュレーション小説……もとい今ではノスタルジックな歴史改変SF。アマゾンがまだ本屋で、インターネットを使う時に電話が出来なかったあの頃の空気がもう懐かしみの極み。ドンパチ&戦争&デスマーチがたっぷりで飽きの来ない展開が良いぜ。中国の覇権を予見してるし、今読んでも面白い一冊。2020/07/08
yos
1
著者はさすがに元コンピュータ会社社員。Y2K問題についてこれでもかとパニックをあおる。2000年が来てからではダメ、今でないと読めない小説?米軍相手に健闘するソルヴァング社と民間警備会社がなかなかかっこいい。窮地に追い込まれたと見せて、次の瞬間鮮やかに逆転するのは読んでいて胸がすかっとする。1999/05/11