内容説明
1865年、南北戦争下のアメリカで南軍の捕虜となっていた五人と犬一頭が、嵐の夜、気球にのって逃亡を図る。激しい風雨に翻弄され太平洋上を漂流したあげく、たどり着いたのは、絶海の孤島だった。マッチ一本、小麦一粒、犬の首輪以外何も持たず、着のみ着のままという状況で、力をあわせ、生き延びようと苦闘する彼らだったが…。迫真のサバイバル劇にして名作『海底二万里』の知られざる続編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
89
ヴェルヌ作品でも長大を誇る作品だが、ヴェルヌの膨大な知識によって次から次に繰り出されるサヴァイバル術や探検行によって全くだれることなく物語が続く。全てを注ぎ込んだかのような一大長編。農林畜産、養殖業といった第1次産業から、製鉄、建築、建設、ガラス工業と云った第2次産業とたった5人と1頭の犬、そして途中で加わるオランウータンによってこれら全てのことが網羅されている。博学の技師サイラス・スミスの指導の下、有能なメンバーによって彼らの生活は発展を遂げ、一種の町を、いや独立した国家を形成していくかのようだ。2018/03/18
志田健治
10
またしても傑作に出会ってしまいました。ジュール・ヴェルヌ作品を読むのは『海底二万里』、『グラント船長の子供たち』に続いて三作目ですが、順番的に大正解だと思います。前二作も最高に面白かったのですが、今作はそれを上回るかもしれません。そしてこれって大ヒット海外ドラマ『ロスト』の元ネタですよね!とにかく登場人物のおじさんたちが可愛すぎてたまりません。リーダーの技師さんすごすぎ!神がかってます。ペンクロフ愉快。スピレット男前。ハーバード天使。ネブ有能。トップも有能。これ、下巻で急展開するんでしょうね。楽しみすぎ!2017/05/26
α0350α
9
ほぼ0の状態からサイラス氏の知識で文明的な生活を作り上げていくところが面白いです。安易に脱出を試みるのではなくまずは物作りからという展開も良いですね。犬が吠える謎の存在の正体は?彼らは島を脱出してアメリカに帰ることができるのか?下巻がとても楽しみです。2016/02/07
shiro
6
Dr.ストーンを読んだのでこちらも読みたくなって。Dr.ストーンとドリフターズと神秘の島を読めば、硝酸、硫酸、石灰の重要性はよくわかる。黄鉄鋼からも硫酸ってとれたんだな。以前は読み飛ばしていたものがなんとなく分かって嬉しい。知識の点と点が線でつながる時の面白さは何とも言えない興奮があるね。神秘の島に方鉛鉱ないのは意外だった。話の都合か。2019/12/08
のんの
5
無人島サバイバル本。なんか謎の出来事とかあって、ドキドキしながら上巻を読んだ。2024/05/12