内容説明
中央ヨーロッパの盟主として隆盛を誇るオーストリア帝国。十九世紀も終盤をむかえて、この華麗なるハプスブルク家の前途にも暗雲が漂いはじめていた。そして、おそいくる運命の嵐にあらがうように、旅に明け旅に暮れていた美貌の皇妃エリザベート(シシー)の身辺でもつぎつぎと悲劇が起こって…。激動の時代、風のように颯爽と駆けぬけていった「さすらいの皇妃」の物語は、いよいよ佳境に。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっしー
14
義母との確執、息子との温度差、夫とのすれ違い。生まれ育った環境が違う事が原因で、ここまですれ違ってしまうとは…。人生、何が正解なのか本当に分からないものですね。エリザベートの視点から見ても、幸せだったのかと考えてしまいますが、一番問いかけたいのは夫に対してかもしれませんね。望んだ恋愛結婚の筈が、晩年はほとんどすれ違い。毎日仕事に追われていたとは…。そう思うと、幸せとは何か気になります。2020/09/13
まめねこ
8
最後まで、自分の立場を受け入れることは出来なかったのか。両親の教育方法が違ったら、ここまで苦しまなかったのだろうか?でも、そうしたら、フランツの眼には止まらなかったかもしれない。家族の形を分からぬまま、ソフィーの介入もあり、家族の在り方も歪んでしまって、辛い。不器用なほど正直な彼女なりに頑張ったけれども、小さな幸せに気づけず、満足出来ず、苦しかったのだろう。自分が同じ立場ならば、早々に精神に支障をきたしていただろうから、エリザベートは逃避したけれども、最後まで生き抜いたのは偉いと思った。2017/02/22
Yumikoit
3
旧い本を引っ張り出して読む。前作と作風がだいぶ変化し、想像と演出で書いてある部分が増えた印象。特にルートヴィヒ2世との最期の関わりが創作の印象が強い。薔薇の島で交わされた文通の話などは触れることなく。 ルドルフの死も謎の多い一件。恐らくはルドルフにもシュテファニーにも公平に書こうとした挙句か。しかし自殺かとみられた一件やその後にヴァチカンが彼の葬儀を認めた経緯などに触れて淡々と客観的に描いた方が面白いストーリィになったのではないかと思われる。2016/01/04
まいご
2
ダイジェスト的ながら登場人物が人間味を感じられるよう描かれているので読みやすい。皇太子ルドルフについてもっと詳しく書いて欲しかった。2012/08/04
Satoko
1
皇妃エリザベートが予想以上に売れたからって、調子に乗って続きを書いたものの無理やり死ぬまでを書こうとしたせいかはたまた上の空になっちゃったか、、がっかり。2009/12/11