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９５．９．２５
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
林 一歩
16
ラテンアメリカ文学の良さを簡潔に述べよ…と言われると、即答出来ないもどかしさはございますが、マジックリアリズムと呼ばれる独特の世界観は一度嵌ると抜け出す事は不可能。件の入門書としては最良ではないかと存じます。2012/12/04
パラ野
14
オカンポは女。「鏡の中のコルネリア」が豊穣なイメージで成り立っていて、鏡との会話のナルシスティックな感じと、11歳で憧れの大人2人の情事を目撃した告白がエロティックで、なんかもう、男かと思った。リョサ「小犬たち」〈ちんこ〉受難。犬にちんこを噛まれた、あいつの友人たちの友情は、実に思いやりに溢れてたよ。だが、〈ちんこ〉の苦悩は〈ちんこ〉にしかわからなかったのが悲劇なのさ、なんてね。「砂漠の戦い」小学生の純粋な初恋が。パスって、ギリシャの30年代の詩人と重なると思ったら、そうか。偽伝説集w2014/08/17
三柴ゆよし
8
これ、ネットだと平気で5000円くらいする。三省堂の絶版文庫フェアで見つけたときは嬉しかった。1500円也。一作だけ推せというなら「子犬たち」（リョサ）。性器を犬に噛み切られた少年の悲劇。……待てよ、自信がなくなってきた。これはむしろ喜劇といったほうが正解なのかも。少なくとも、「ヘイ、ヘーイ！」てな感じの饒舌体から悲壮感を汲み取ることは出来ない。ともあれ、「砂漠の戦い」（パチェーコ）ともども、青春小説の佳品といって間違いはないだろう。濁茶。2009/09/14
ふくろう
5
「子犬たち」のインパクトがすごい。サッカーに熱を上げたり、「お前、先に彼女作るなんて抜け駆けだろ」などと言いあったりする少年の日常風景の中に、突如ワンワンワンという鳴き声とともに「ちんこ」というあだ名を持つ少年が現れてぎょっとする。女性を口説く文化圏において性器を失った青年の悲しみと、それを笑い飛ばそうとする無駄に明るい饒舌さは、意外と日本男子の心にも通じるものがあるのではないだろうか。「リア充爆発しろ」一派はとりあえず読んでみるといいんじゃないかな。と適当なことを書いてみる。2011/07/22
あなた
5
このチョイスにしてこのタイトルが秀逸。パチェーコとかオカンポ、アストゥリアスなんてめずらしいよな。夏にこれを読まずしていったい何を読むというのか。パスってさあ、芭蕉の「奥の細道」をスペイン語に訳してんだよ、って興奮していうとｌ、パスって誰っていわれるのが哀しい。オカンポはコルタサルの嫁2009/07/11
