内容説明
人々の欲望が渦巻くパンパの町。女たちはハリウッド映画のロマンスを夢見、男たちはタンゴの歌詞で女を誘惑する。美貌の青年が結核で死んだ。その母親のもとに、町のビューティー・クイーンだった女性からお悔やみ状が舞い込む。そこで明かされる意外な事実。二人の間に何があったのか。メロドラマのスタイルを借りてプイグが鮮やかに描き出す、青春群像。クールで熱いラブゲームが今甦る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
47
イメージの洪水に溺れそうになりうっとりする。互いの思いがとことん繋がらないことにも。「蜘蛛女のキス」を再読したくなった。2019/11/10
COPPERFIELD
4
ラテンアメリカ文学のなかでは、クセのない文体でぶっちぎりで読みやすいと思う。 『蜘蛛女のキスと』比べてもそう。 実験的な小説なので慣れてない人は戸惑うと思うが、まずはただ楽しみながら読んでほしい。 ずいぶん前に読んだので再読しないと思い出せない。
masawo
2
最初から最後までとにかくドロドロしている。複数の男女の思惑が交錯する「アルゼンチン版昼ドラ」的な内容だが、身分、都会と田舎、不治の病、信仰などの要素に加えて、プイグが得意とする変則的な文章構成が物語に奥行を持たせている。マルケスの「予告された殺人の記録」を読んだときの救いの無さを思い出した。2018/10/30
まっきaka谷林
2
構成の面白さが際立つが、大体の人物がクズであるのに対してクズでも生きていかなきゃいけないよね、というのを示しているのが良い。2018/01/02
のうみそしる
2
プイグ後期の作品群よりも、構成の点でカオスな印象を受けた。場面の切り替わりが映画的。序盤は手紙の応酬で、作品のイメージを読者に植え付けてくる。半分過ぎたあたりから、やっと誰が誰なのかわかるようになった。ネリダの愛称がネネ、だとか。「落ちるもんか。一つずつ放るから、受けとれよ……そら……上手いぞ……つぶれたのか?(雌鶏たちが驚いて、鳴き叫ぶ。金網に向かってはばたき、翼を痛める。狐は塀のどんな穴からでも逃げてゆく)」2017/04/11
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