集英社文庫<br> 三つのブルジョワ物語

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集英社文庫
三つのブルジョワ物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 335p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784087602395
  • NDC分類 963
  • Cコード C0197

内容説明

男の人って、〈命令したり〉、〈働いている〉のはおれたち男なんだ、だから女には何の力もないんだと思い込んでいるけど、本当におばかさんだわ。というか、無邪気なのね。…わたしたちを甘く見てはいけないわ。…(「チャタヌーガ・チューチュー」より)。ほかに、ブルジョワ社会を舞台に、人間のうちに潜む狂気と妄想をコメディ・タッチで描く「緑色原子第五番」「夜のガスパール」を含む傑作三部作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

erierif

13
ドノソらしさが凝縮された短篇3つ。ブルジョワ×俗物の三カップルの話。あとがきの「主⇄従」の他「得る⇄失う」という構造の話でとても面白い。またエゴむき出しの醜さが耐えがたくもあり人の根底にあるものという普遍性を感じる。Ⅰ.チャタヌーガ・チューチュー/ メインになる男と女、どちらも拠り所になる体のパーツを失う話。奇妙な設定で、違和感たっぷりのまま強引に話をすすめるスタイルもドノソ(ブニュエル的でもある )らしく女性達も男性達同様に存在感がある。Ⅱ.緑色原子五番 /「緑色原子五番」というタイトルの絵を(続2018/08/20

三柴ゆよし

13
予想はしてたが、『夜のみだらな鳥』みたいな土俗フルな作品を期待してると肩透かしは必至。とはいえこちらにはまたちがった味がある。「夜のガスパール」だけはあまりピンとこなかったのだけれど、支配し支配される夫婦関係に男性器的なオブセッションと不気味な幻想を絡めた喜劇「チャタヌーガ・チューチュー」、不条理な盗難事件が円満な夫婦関係に狂気をもたらす「緑色原子第五番」の二篇は相当わたし好み。特に「緑色原子第五番」の<ミイラ取りがミイラになる>感は、コルタサルとか吉田知子のそれに近く、ほとんどホラーを読んでるようだった2012/02/26

yanoms

3
ルルフォ、バルガス=ジョサ、ガルシア=マルケスといったヴァナキュラーな魔術的リアリズムの系譜からは少し離れてる。チリということもあってか、ヨーロッパの息がかかった小洒落た筆致で、コルタサルのそれに近い。でもコルタサルほどジャズな感じでもなく、どちらかと言えばデイヴィッド・リンチみたいな不気味さが漂う。なにはともあれもしろいという身も蓋もない結論。2011/05/24

龍國竣/リュウゴク

1
互いに重なり合う三篇が収録されている。〈ヴォーグ〉誌やブランド品に象徴されるブルジョワ階級の生活を描く。また、そこにおける男女の主従関係にも話は及ぶ。彼らの生活は穏やかではない。妄執と錯乱とが付きまとう。時に、現実を軽々と超えていってしまう。2014/01/20

勉誠出版営業部

0
ホセ・ドノーソの『三つのブルジョワ物語』を読了。上流階級の3家族を主軸にした連作短編集。最初の二つはブラックユーモア。最後の一つはいわば青春モノ。ラテンアメリカ文学にしては洒脱な印象。2012/10/18

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