内容説明
1867年、オーストリア帝国の支配下、祖国ハンガリーの独立をめざしひそかに活動していたサンドルフ伯爵は、裏切り者の密告により、財産を奪われ、同志ザトマール伯爵、バートリ教授とともに牢獄につながれた。雷鳴とどろく夜、脱獄を決行するも失敗、同志ふたりは殺され、自らも追い詰められて海の藻屑と消えた―。15年後、地中海をまたにかけた復讐劇は幕を開く…。“巌窟王”を凌ぐ傑作、登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
87
1863年のオーストリア・ハンガリー王国の鬱屈した不穏な空気を題材に、クーデターを企む有識者たちの暗号文の登場、その解読から悪知恵の働く悪漢たちによる逮捕劇に、監獄からの脱獄、そしてその15年後の1878年の地中海沿岸諸国の政治情勢と風土を織り込みながら展開する冒険と活劇の数々。悪は決して栄えず、最後には裁かれる。古めかしいほどシンプルな構図だが、それで何が悪い。悪が決して断罪されない不条理な現代だからこそ、このシンプルな勧善懲悪の冒険活劇が面白い。ヴェルヌ再評価は決して誇張ではないと頷かされる作品だ。2018/11/28
ehirano1
72
「モンテ・クリスト伯」がモチーフということで否が応でもバイアスが入るのですが、本書の方がよりエンタメ且つ、冒険小説的であるように感じました。Fが得意な著者が描く復讐劇の後半が楽しみです。2024/03/10
kasim
30
オーストリアからのハンガリー独立を志すサンドルフ伯爵は裏切りに遭って逮捕、塔に監禁され処刑宣告される。不可能とされた脱出を遂げるものの結局海の藻屑に。15年後、謎の大富豪が現れ…。現在のクロアチア近辺を舞台に、高潔な人はあくまで気高く、悪漢はどこまでも卑劣というすっきりしたロマンス。安心してハラハラできます。うろ覚えだけど、まんま『岩窟王』。献呈された小デュマの「父の文学上の本当の息子はあなたなのです」というヴェルヌへの返しにじんと来る。表紙がメビウスなのはすごいが、合ってるのか? むむ。下巻へ。2019/11/04
kagetrasama-aoi(葵・橘)
10
「モンテ・クリスト伯」復習しておいて良かった~!面白い!読むのが止まらない!感想は下巻で。2018/10/28
Kotaro Nagai
4
ヴェルヌ得意の冒険小説。19世紀の雰囲気が楽しめる。2011/06/05