内容説明
永く精神病の治療をつづけていたブーンは、あるとき、自分がジキルとハイドのような二重人格者で、無意識のうちに残虐な連続殺人を繰り返していることを知って愕然とする。絶望した彼は自殺を企てるが果たせず、《暗黒の神に選ばれた殺人者》が住むという異次元の闇の町ミディアンへ行こうと決心した。ブーンはそこで何を見たのか…そもそこにうごめく異形の民《夜の種族》とはなにものか。この血塗られた闇の世界をつかさどるバフォメットとは…?仮面と素顔、生と死、闇と光、罪と罰、すべてを逆転させ、夢と現実のあやなす暗黒の幻想小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
47
無意識に連続殺人を犯していたことを知った男。この事実に耐え切れず、男は、自殺未遂の後、異界の町「ミディアン」へと向かいます。男の恋人は、その跡を探し求めて、旅に出るのでした…。<<夜の種族>>が住まう「ミディアン」。異世界ダークファンタジー的な展開ですが、「イマジカ」などと比較すると、イマジネーションは力不足と言わねばなりますまい。著者ならではの、グロテスクなキャラクター造形もみられません。シリーズものを意図していたようですが、第一弾として魅力に乏しいですね。狂気をばら撒く敵役は、いい味出してるのですが。2022/09/29
カマー
3
バーカーらしく血みどろの描写が多いが、ホラーというより乾いた感じがする幻想神話といった内容 異形の怪物達の方が人間らしい感情を持ち人間の殺人鬼の方が異質な存在で描かれているのが面白い 太古から続く異界的なモノに対しては畏敬の念を抱く作者の作風が関係していると思う 2015/08/31
山田
2
愛の力ですか、分かりません!2012/04/12
負け猫
2
余計な文章がなく、すごい勢いで話が進んでいき、まるでB級ホラー映画を見ているようだった。2011/10/18
卍ザワ
1
B級感覚満載なモダンホラーだが、米国と違い派手さは無い。「血の本」では目立たなかったが、長編だからか、主人公・ヒロインといったキャラクターやアクションも今一つあか抜けない、英国らしい地味さが見受けられる。2014/11/19