内容説明
1963年5月、ソ連陸軍参謀本部中央情報部(GRU)大佐が反逆罪で銃殺刑を宣告された。コーカサスで生まれ、キエフ砲兵学校、フルンゼ陸軍士官学校を出て、31歳で大佐に昇進したエリートだった。彼は情報活動に携わりながら、西側にソ連の軍事情報を提供していた。生前ひそかに書き綴っていた膨大な極秘メモが、処刑後秘密ルートで西側に運ばれ、本書となった。
目次
第1章 私の私生活を取り巻く体制
第2章 スパイ、破壊活動の巨大な機構
CRUの暗黒の世界
第3章 アメリカにおけるソ連スパイ網(秘密情報員の連絡;秘密会合;情報将校の直接連絡に関する注意;現地駐在部との無線連絡;郵便、電報の秘密利用;新聞の利用と合図の方法;平和時の機密連絡体制;機密情報網の操作)
第4章 西側情報員と接触
第5章 2重生活へ天賦の才(スパイノート;アメリカにおける情報活動;海外のスパイ活動とKGB)
第6章 影の地獄の生活(私は監視されている;核兵器とミサイル)
第7章 迫る監視の目(モスクワと海外の波紋;反ユダヤ主義;フルシチョフと中国)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
28
1950年代末にアメリカ側にソ連のスパイ網やフルシチョフ含めた中枢の情報の流し続け、ソ連の外交方針が手に取るようわかる状態を1年半続けた。第二次大戦の冬戦争から従軍して生き残った生え抜きで大戦中の情報将校としての経験から軍の情報機関であるGRUに長く勤めていた。トルコで上司の不手際を指摘したところ、目を付けられるようになり、やがて父が白軍だったことをバラされて出世への道を閉ざされ、西側との接触の多かった著者は、ソ連の閉鎖的な社会に辟易して、KGBに好きにされる状況に絶望。二重スパイへの活動を決意する。2022/03/30
shiaruvy
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