内容説明
青や橙色に輝く星の野原を越え、白く光る銀河の岸をわたり、ジョバンニとカムパネルラを乗せた幻の列車は走る。不思議なかなしみの影をたたえた乗客たちは何者なのか?列車はどこへ向かおうとするのか?孤独な魂の旅を抒情豊かにつづる表題作ほか、「風の又三郎」「よだかの星」など、著者の代表的作品を六編収録する。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あん
79
文庫本の整理をしていたら偶然発見し、少しずつ読み進めてきました。「よだかの星」「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」を含む5編が収録されています。夜空の星をめぐる銀河鉄道の窓から見える星座と星雲の眩しさと、死んで星となったよだかが特に印象的。美しくて切なくて幻想的な世界でした。2016/05/11
芽
65
「銀河鉄道の夜」はすごく有名な作品なのに読んだことがなかった。 カムパネルラとジョバンニは名前だけ知っていたけど。 こんなに物悲しいお話だったとは。 宮沢賢治の年表やあとがきを読んで納得。2015/10/15
優希
62
輝くような童話だと思わずにはいられません。悲しみを感じるような空気から見える世界が美しい。そこから見えるのは夢なんですよね。永遠に童心に帰らせてくれるファンタジーの世界が好きです。2022/07/07
優希
60
何度読んでも幻想の世界に誘われます。キラキラした輝きがある世界観。自分はこの美しい世界観が好きだと感じます。悲しみをまとったような空気から見える世界は、心で感じる世界なのですね。永遠に童心に帰らせてくれるファンタジーと言えると思います。賢治は物語という魔法を持っていると言っても良いでしょう。2023/03/19
優希
55
子供の頃夢見るように読んでいた宮沢賢治ですが、この年になって読むとまた新鮮です。光り輝くような童話の世界は昔と違った風景を見せてくれました。『よだかの星』の美しく悲しい最後はとても印象に残ります。美しいのに孤独の宿る世界は今でないと見えないもののように感じました。『銀河鉄道の夜』はやっぱり眩しいですね。銀河ステーションに行きたくてたまらなかったのを思い出します。全て最後は孤独な悲しみが待っているのに、いつ読んでも夢は見せてくれるのが不思議です。永遠に童心に帰らせてくれるのが賢治の魔法なんですね。2014/04/19