感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
曲がった式
8
生きる為に学ぶのではない、生きること自体が学ぶ(=創造する)ことだと教えてくれる。だから、学ぶ(創造する)ことしなければ人間として生きていないのだと解釈した。もちろん著者のような偉大な創造は誰にでもできることではないから、人はそれぞれ生まれた時から一人ひとり異なっていて、可能性も人それぞれ、独自の生きがいを創造しようと勇気付けてくれる。横並びでいることに安心感を求め、個性を出すことを恐れる日本人には、学生だけでなく、すべての人に読んで欲しいと思える一冊。2014/11/07
にしがき
5
👍👍👍👍 初版 1984年。著者は、これからの社会は、多様性/自己の創造性が求められると説く。更に、その求めに応じられない人は絶望を感じ、こういった人が増えると社会を覆すことが起きると予想している。 現在は正に著者が警告したような道を辿っているのではないか…と思えてしまう。2019/04/27
Ted
3
'82年10月刊。('04年4月で36刷)△フィールズ賞を受賞した数学者が若い人に向けて書いたと思われる人生読本。失礼ながら故人かと思っていたが存命。敗戦で一転した逆境にもめげずに数学者として功なり名遂げた成功譚。いかにも文部省が推薦しそうな内容だが創造や失敗や不遇に対する考え方には得るものが多い。ロングセラーだけのことはある。後半の自慢話があまり嫌味に感じないのは前半に苦労話をたくさんもってきているのと、商家出身らしい処世術が自然に身についているような著者の人柄(もちろん会ったことなどないが)のゆえか。2016/01/28
渚
3
時々、考えることや生きることに疲れたり面倒になったりするけど、その一つひとつが大切でとても意味があることなんだと考えさせられた。数学者である作者の人生観がすごい。特に最後の”若者へ!”の章は心に響いた。とにかく頑張ろうと思えるきっかけになった。2014/09/29
シフ子
3
広中先生は 気の合う人を友人としてこなかったそうだ。どちらかというと 自分にないものを持っている人 教えてくれるものをもっている人と懇意になる。自分を失わないように お互いに入りこみ過ぎない。個人として自律した存在としてつきあってきたのだという。それを「lonenessをしっかりもっていれば、好きな人、嫌いな人、どんな人とどのようにつきあってもlonelinessを感じなくてもすむというのが、私の信条である。」と言い表している。2006/07/07