感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
y_e_d
0
主に、堀田家の大黒柱・一郎と娘2人を軸に話は展開。一郎が定年まであと2年というところまで勤め上げた会社が外部資本に乗っ取られる。その首謀者は外部と内通していた上司だったが、一郎は最後まで死力を尽くし抵抗する。頑固なようで理解のある男気がいい。信頼、信念、固い絆、裏切り、世間体、挑戦、保身・・・人間模様が絡み合い、様々なことを考えさせられるが、船山作品の特徴として、清流を眺めるがごとく端麗な日本語表現で、重くも軽くも感じさせない独特の感覚になる。作者没後30年以上経つが、沢山の人達に読んで欲しい作家です。2017/08/07