感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
安南
50
未亡人になったばかりの叔母がこの本を手にしていたのを思い出した。夫に先立たれ、これから《ひとりでも生き》ていかなければならないから?と当時十代の私は単純に考えていたが…今にして思えば、この本は叔父の最期を愛人女性と二人で看取った叔母の疑問に応えるエッセイだったのかも。ここでの寂聴は《既成の結婚》を激しく糾弾している。理屈は捏ねていてもかなりヒステリックな印象。まぁ出家を目前に控えて己を鼓舞したい気持ちもあったのだろう。これが晴美時代の最後に書かれたもので初めての寂聴名義の著作だと思うと感慨深い。2015/06/29
扉のこちら側
36
初読。2014年1062冊め。この本の単行本が出版されたのが1973年とのことだが、今読んでも進んでいるなと感じるところがある。2014/11/12
あすか
28
昭和48年に刊行された瀬戸内寂聴さんのエッセイ。一夫一妻制に疑問を持ち、自身の底から湧き上がる情熱に正直に生きてもいいじゃないかと書かれている。 私の生まれる前にこんな考え方をしている人がいるなんて、びっくりです。今読んでも通用する、当時はきっと衝撃的なエッセイだったんだろうなと思いました。自分に正直に生きるということが当たり前のようで大変なことだなぁとしみじみしました。2017/02/15
きなこ
14
男女の恋愛を自らの体験をもとに語ったエッセイ。彼女の語ってることは真に迫っていてとても参考になると思うけど、私には少し早かったかも……。10年くらい経ってから読見直したら共感できたりするのかもしれない。2013/12/20
Mijas
12
何のために生きているのか、いつの時代でもテーマになる。当たり前のように生きているが、誰かに依存した生き方でいいのだろうかと問われているような気がした。人間とは本来自立した存在であり、制度とは近代の産物なのだ。読後、何のために生きているか改めて考えてみた。成長したいという願望があればこそ生きているのではないか。成長のための出逢い、それは人であり思想であり、慰め、悔い、はたまた神だと瀬戸内さんは言う。人は別れるために出逢うのであり、出逢うために生きるのである。生がある限り、出逢いがある。力強い言葉だと思う。2013/08/05
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